第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#19
DARK BLUE MOON? 〜Gravity Angel Drive〜
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、本当に、便利な 『能力』 だわ……
今の私の、望むがままに存在を映し出してくれる……!」
言うが速いか、美女は巨大な 『本』 の形容をした神器、
グリモアを先鋭に構え
「“ソ・コ” ッッッッだあああああぁぁぁぁ―――――――ッッッッッッ!!!!!!!」
己の左斜めの方向へ開いて発光するグリモアを通し蒼い炎弾の嵐を乱射する。
優美な芸術品が展示硝子ごと幾つも砕け散り燃え上がるのと同時に、
空間を仕切る黒いカーテンから一つの影が視界に過ぎるのをマージョリーは
見逃さなかった。
「逃・が・す・かァッッ!!」
(クッ…… “また” か……!
存在の気配は完璧に消し去った筈……なのに何故……)
それぞれ対照的な心情のまま、両者が頭上へと飛び上がったのはまた同時。
動きも表情も失った人々が後に残るその空間で、
蒼い炎に照らされるフロアに落ちた一枚の写真。
その右上に記載された街路図は、
いつのまにか今いる場所の館内図に切り替わっていた。
『能力』 と 「対象」 との距離が狭まれば、その威力と精度が増すスタンド法則。
ソレを使用する者とされる者に、その事実を知る術はない。
一方は透化、もう一方は爆砕しながら幾つもの天井を突き抜けた両者が、
最終的に真正面から対峙した場所。
ソコは幾何学の波のようなガラスの大天蓋で覆われた、
絡み合うアーチと吹き抜けを見下ろす美術館最上部。
『DRAGON’S DREAM』 の名を冠するが如く、
背に陰陽盤を背負った巨大な龍の彫像が4体取り囲む威容の空間。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!
片や一切の気配を発さず、片や触れれば焼き尽くされる程の脅嚇を以て
存在する異界の住人。
フレイムヘイズと紅世の徒。
上昇に伴ってかかった髪により片目だけだが、
この世のスベテを滅ぼしても尚足らないという憎悪をギラつかせながら
彼女は口を開いた。
「ったく、大した 『能力』 も無い癖にチョロチョロと……
アンタみたいな雑魚に拘ってる暇はないのよ……
他にもブチ殺さなきゃならない徒は腐るほどいるんだから……ッ!」
まるで地獄の底から這い擦り出すような怨嗟の声で、
もう殺した後のようにラミーへと迫るマージョリー。
「こっちの警告シカトしやがったのはテメーの方だからなぁ?
もうラクには死ねねーぜ。 『こうなっちまったら』 オレでも止めらんねーからな。
ヒャーーーーーーーッハッハッハッハァァァァァァァァ!!!!!!!」
心底欣快そうな狂声で、サディスティックに己が同胞への別離を
宣告するマル
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