十六話:遊園地2
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大木に叩き付けられ呼吸をすることができなくなりながらも瞳は敵に向ける二人。
しかし、そんな最後の抵抗など何の意味もない。
存在が薄れていくということは力も失われていくということだ。
限界に達した体は動いてはくれず、ただ怪物の胃の中に入るのを待つばかりである。
「余は…死ぬわけにはいかんのだ! まだ、■■■の無事を…!」
『くそ……■■■■…ッ』
必死に声をあげながら立ち上がろうとするラーマにぐだ男。
だが、ジャバウォックにはそんなことは関係ない。
ニタリとまるで笑うかのように口を開き巨大な腕を振り上げ狙いを定める。
そして、二人の命を完全に絶つべく、双腕を―――振り下ろす。
「主の御業をここに―――我が神はここにありて!!」
しかし、その剛腕は一本の旗により完璧に防がれることとなる。
呆気にとられるぐだ男に向かい彼女は振り返り微笑みかける。
「戻ってきましたよ、ぐだ男君」
『ぐ■男…ぐだ男…ッ! ■ャンヌ…ジャンヌ!』
「はい。記憶が戻ったのですね」
自身の名前を口にしたことで記憶を取り戻すぐだ男。
ジャンヌはその様子に胸を撫で下ろし息を吐く。
『どうしてこの森で記憶が?』
「一度外に出て思い出した後にメモに自分の名前を書いて忘れないようにしたんです」
『そんな方法が…ッ。そうだ、シータは大丈夫だったの?』
「はい。無理を押してラーマ君の下に」
事情を一通り説明してもらいラーマの方を見るぐだ男。
ジャンヌはその間にもジャバウォックから全員を守り続けている。
「ラーマ様! ラーマ様!」
「シータ…か。ああ、やっと君の名前が思い出せた」
シータの登場に心底安堵したような声を出しながらラーマは立ち上がる。
失った記憶と共に力も取り戻したのだ。
「さて、後はあれを倒すだけだな。シータ、弓はあるか?」
「はい。ここに」
『矢はどうするの?』
「矢ならば、ここにあるではないか。見せてやろう、不滅の刃の真の力を」
シータが持っていた弓を受け取り自らの剣をつがえるラーマ。
だが、弓とは全身の力を使って放つもの。
やはり衝突を受けた痛みが残っているのかふらついてしまう。
「ラーマ様、私があなたを支えます」
「シータ……すまないな。ジャンヌ・ダルク、防御を解いてよいぞ」
「分かりました。では、五秒後に解きます」
『残りの令呪全てで命ずる、ジャバウォックを倒すんだ』
シータに支えられながらラーマは弦を引き絞る。
ジャンヌは矢が放たれるタイミングまで暴れ続けるジャバウォックを旗でいなし続ける。
ぐだ男は最後の令呪2つでラーマとシータを強
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