第一章 ハジマリ
第3話 初めまして
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る。
「キミって面白い人だなぁって思って」
「そ、そうかな?」
「自分の素直な気持ちを言っただけなんだけど」と続ける天馬に「それが面白いなぁって思ったの」とアステリは笑う。
すると、隣で二人の会話を聞いていた秋やフェイまで「天馬らしい」と笑い出す。
そんな皆の様子を見て、天馬は複雑な気持ちで考える。
(いつも思うけど俺ってそんな変かなぁ……?)
そんな事を考えてると、さっきまで笑っていた秋がポンッと手を叩き「そうだっ」とアステリに話しかけた。
「アステリ君。もし良かったら今日、家に泊まっていかない?」
「え?」
秋の発言にアステリは驚いた顔をする。
アステリだけでは無い、天馬とフェイも互いに顔を見合わせて驚いた様な表情を見せる。
秋はそんなアステリに向かって笑顔で話を続けた。
「賑やかな方が楽しいし、それに体調もまだ万全じゃないでしょう?」
確かに彼は今さっき目覚めたばかりで体調も、それに記憶だって未だ思い出せないでいる。
そんな状況で見知らぬ場所にほっぽり出されたら、迷子になるのは容易に想像出来た。
「でも」と不安そうな顔をしたままアステリは秋の顔を見る。
「良いんですか? 怪我の手当てをしてくれた上、泊まらせていただくなんて……」
「それも、こんな見ず知らずの怪しい奴を」と続けるアステリの顔は、だんだんと俯きがちになって行く。
そんな彼を安心させる様に「大丈夫」と笑うと、秋は後ろで見ていた二人の方に顔を向ける。
「天馬もフェイ君も大丈夫よね?」
秋の問いに二人はもちろん賛成した。
天馬も、アステリともっと仲良くなりたいと思っていた所だったし
それにフェイ自身も、天馬とは別の意味で彼の事は気になっていた。
二人の言葉に秋が「ね?」と笑いかける。
彼等の言葉や態度に不安も薄れたのか、アステリは少し考え込んだ後……
「……じゃあ、お世話になろうかな」
と微笑んだ。
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