第二章
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「熊が出たらこれをぶつけるんだ」
「ボールですか」
「中に凄く嫌な匂いがする液体が入ってるんだ」
ボール達の中にはというのです。
「投げつけたらその液体が相手に付くからね」
「それで、ですか」
「熊でもその匂いに怯んで逃げるから」
「熊除けですね」
「それになるからね」
だからだというのです。
「熊にはこれを持っていくんだ」
「くれるんですか」
「何かあってからじゃ遅いからね」
この場合の何かはもう言うまでもありませんでした。
「だから持って行くんだ、いいね」
「有り難うございます」
「それじゃあね、気をつけていくんだよ」
赤頭巾ちゃんにボール達を渡してです、猟師さんはパトロールに戻りました。そしてそのうえでなのでした。
赤頭巾ちゃんはあらためてお祖母さんのお家に向かいました、森までの道は何も出なくて平和なままです。
お祖母さんの家に着きました、すると。
お祖母さんのお家の扉には鍵がかかっていました、お家を囲んでいる高いコンクリートの壁の玄関おそれがです。
それで、です。玄関のところのチャイムを鳴らしてでした。お祖母さんを呼びました。
「お祖母ちゃん、いる?」
「赤頭巾かい?」
「うん、私よ」
こうイヤホンの向こうのお祖母さんに言うのでした。
「赤頭巾よ」
「うん、今行くよ」
お祖母さんの声が応えてくれてです、そのうえで。
扉が開いて中から優しい顔のお祖母さんが出てきました、お祖母さんは赤頭巾の顔を見て言いました。
「モニターの顔より奇麗だね」
「モニターって?」
「玄関のところに付けてるんだよ」
「そうなの」
「それでチャイムを押した人の顔を観る様にしてるんだよ」
「どうしてそうしてるの?」
「狼や熊だったら危ないからだよ」
訪問してくる相手がというのです。
「だからそうしてるんだよ」
「そうだったの」
「お家の壁もね」
「それも前はなかったよね」
「こうして囲んでないとお家に来るからね」
狼や熊が来たらです。
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