第十二話 緒戦の勝利、そして大変な日々
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主が好みそうな中性的な笑い方をしたブルーノがいつもの優等生の顔を作って前に向き直ったときには、車は完全に停止していた。
不安に思う暇はもはやない。俺はトイレに入って謹厳な表情を作ると、皮膚と頭蓋骨の下でこの後の計画──成功した時はどこまで俺の手柄にするか、万一失敗した時はいかにして俺の失敗をお館様の手柄に繋げるか、つまりどうやってお館様の出馬を仰いで延長戦をお願いするか──を練り始めた。
「さあ、大芝居の始まりだよ」
「…俺のセリフ取るなよ」
一度ふっ切ってしまえば、もう迷いに捕らわれることはない。
会場に入る直前、またしても悪戯っぽく囁いたブルーノの言葉とその視線の先に見出したオイゲン公子の巨体、とりあえずの安堵感に中断させられるまで、俺の頭脳の回転は止まらなかった。
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