暁 〜小説投稿サイト〜
困った王子様
第七章
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「感覚、ででしたが」
「あの者は間違っていない」
「はい、ですから」
「任せたのだな」
「そうでした」
「そうか、私もそなたの国の状況を見たが」
「如何でしょうか」
 王は皇帝に問い返した。
「それで」
「実にいい」 
 これが皇帝の返事だった。
「私が見てもな」
「左様ですか」
「あの改革を我が国でも行えばな」
「帝国全体がですね」
「よくなる」 
 皇帝はこうも言った。
「それも実にな」
「では」
「うむ、幸い反対する勢力もいない」 
 今の帝国にはというのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「そなたの子を宰相にしたい」
 この帝国のというのだ。
「そなたの国の王としてだけでなくな」
「宰相にですね」
「帝国全体のな、ではな」
「それではその様に」
「しよう」 
 こう言ってだ、そしてだった。
 皇帝は新王を宰相にした、その時にだ。
 新王は皇帝にだ、自信に満ちた声で宣言した。
「陛下、必ずやです」
「この国をだな」
「帝国全てをです」
 まさにというのだ。
「一変させてみせましょう」
「そなたの国の様にだな」
「そうです、私の国の様にです」
 気取った仕草と声で話す。
「見事な国にしてみせましょう」
「そう思ったからこそだ」
「私を宰相にして頂いたのですね」
「そうだ、では期待に適ってもらうぞ」
「それでは」
 新王は宰相に応えた、そしてだった。
 彼は帝国全体の改革にかかった、その改革もだった。
 見事なものでだ、瞬く間に。
 帝国全体が素晴らしいものになった、彼の改革で見違えた。だがこの時にはもう新王について悪く言う者はいなかった。
「お見事だ」
「流石だな」
「あの方のお国と同じだな」
「帝国も変えられた」
「これまでは旧態依然としていたが」
「その帝国がな」
 まさにというのだ。
「一変した」
「あの方ならではだな」
「改革を為してくれた」
「あの方ならばだな」
「まさにな」
 こうしたことを言うのだった。
 誰もが帝国宰相となった彼を悪く言わなくなっていた、賞賛するばかりだった。
 その状況を見てだ、彼は家臣達に言った。
「この通りだ、帝国もだ」
「この国全体もですか」
「我が国の様に変える」
「それも必ず出来た」
「王ならばですね」
「そうだ、私ならばだ」
 新王ならばというのだ。
「これ位はだ」
「何ともないですか」
「そう言われますか」
「王ならば」
「王のお力ならば」
「私の知識と行動力ならばな」
 今も己の執務室でポーズを取りつつ話す。
「造作もないことだ」
「ですか、しかしです」
「まさか王がここまでされるとは」
「王子の時はです」
「失礼ですが思いも寄りませんで
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ