第三章
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「そうしていた」
「気付いていたらって」
「王国がはじまった頃にはな」
バース党の前の王国時代の初期にはというのだ。
「もうだ」
「古いのは確かだね」
「それまでは街で適当に生きていたんだろう」
「適当って」
「そんな昔のことは知らん」
ウサインははっきりと言い切った。
「わしもな」
「ジャアファルの時代は知ってるのに?」
ついでに言うとモンゴル帝国やティムールの頃もだ。
「それなのに?」
「空白の時代だ」
「その空白の時代が殆どに思えるけれど」
「気のせいだ、とにかくジャアファルの様にだ」
ここでは強引に言うウサインだった、普段からそうであるが。
「伊達男になって式に挑め、旦那は第一印象だ」
「奥さんに対して」
「そこでまず惚れさせろ」
それも徹底的にというのだ。
「だからこちらもとびきりのミシュラーを着せてやるからな」
「そしてそれからは」
「自分に惚れ込んだ奥さんを大事にしろ」
「そうすればいいんだね」
「離婚はするな、大目に見てだ」
そしてというのだ。
「言い忘れていたが手もあげるな」
「暴力を振るうな」
「これはやり返されるからだ」
妻を殴ったり蹴ったりすればだ。
「寝ている時に離婚すると三回言ったとか言われるぞ」
「向こうから」
「そうなるからな」
しかも妻の主張がイスラムの法学者に認められたりするというのだ、コーランの考えに法っているとなってだ。
「だからな」
「絶対にだね」
「暴力も振るうな、そもそも預言者ムハンマドは女性を大事にしていた」
コーランも当時の考えからいくとかなり女性を大事にしている、実はムハンマドは先進的かつ進歩的なフェミニストであったのだ。
「だからだ」
「奥さんは大事に」
「猫以上に大事に扱え」
ムハンマドは無類の猫好きでもあった、コーランでは猫をいじめることも戒めている。
「わかったな」
「猫だね」
「そうだ、わかったな」
「女の人は猫なんだ」
「豹か虎と思え」
こう返した父だった。
「怒ったら怖いからな」
「うちの母さんも」
「あれで怒ったら怖い」
妻、アアムにとって母にあたるこの女性の話もした。
「わしも負ける」
「喧嘩になったら」
「伊達に店の若おかみじゃない」
店の切り盛りに貢献しているというのだ。
「婆様に負けない位にだ」
「強いんだね」
「女は皆そうだ」
豹や虎の様なものというのだ。
「この辺りに虎や豹は動物園にしかいないが」
「そうした猛獣と一緒だね」
「獅子とはまた違う」
中東でも人気のある百獣の王とは、というのだ。
「猛獣は猛獣でもな」
「そっちなんだね」
「日本の虎は意外とあっさり負けるらしいが」
「日本に虎いたの」
「何かいるらしい
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