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トウブ
第五章

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「アリババになってもシンドバットになっても」
「絵になりますね」
「全くよ、とびきりの伊達男よ」
「本当に、そう思いますと」
「改宗したくなったかしら」
「いえ、それは」
 改宗して結婚となるとだ、由乃は笑って否定した。
「私豚肉好きですから」
「よくお昼に食べてるわね」
「美味しいし安いし栄養価も高いんですよ」
 豚肉は、というのだ。
「食器とか調理具洗う時は油が多くて大変ですけれど」
「豚肉はそうよね」
「けれどそうしたいいお肉ですから」
 美味く安いうえに栄養価が高い。
「大好きですから」
「お酒もよね」
「ビールも」
 由乃が好きな酒はこちらだった。
「飲み過ぎて太らない様にいつも注意してますし」
「お家ではワンちゃん買ってるわね」
「柴犬の兄貴です」
「何でその名前なの?」
「実家住まいですけれど両親も私も阪神ファンで」
 それでというのだ。
「金本兄貴さんから取りました」
「そういうことね」
「はい、そうです」
「まあ私は日本ハムだから」
 美樹の好きなチームはだ。
「北海道生まれで」
「そうですよね」
「本社は神戸だけれど」
 尚日本ハムの本社、親会社のそれは大阪にある。
「そうだけれどね」
「ハム派なんですね」
「そこは気にならないけれど」
「豚肉、お酒、ワンちゃんが好きなので」
「改宗は、ね」
「無理ですね」
「ついでに言うとコーランでは占い禁止してるわよ」
 美樹は笑ってこのことも言った、とはいってもイスラム圏では占術も大いに隆興し発展しているからそこは矛盾している。
「一応ね」
「星占いは」
「駄目になるわ」
「血液型占いもですよね」
「そうなるわ」
 占術も発展したイスラム圏だがコーランではそうなっている。
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