第四章
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ラシードの屋敷に着いた、屋敷は白と金の丸い円筒があり先は尖っている。まさにアラビアンナイトに出て来る宮殿だ。
その宮殿の緑豊かな庭を通ってだった、二人は屋敷の中に入った。
屋敷の中も見事だった、しかも。
出迎えた鷲を左肩に止めている青年は。
褐色、いや赤と言っていいこの地域特有の肌に彫の深い顔立ちで鼻が高い。黒い目は強い光を放ち顔立ちにも物腰にも気品がある。髪は黒だ。背は高くすらりとしている。
そしてその服装はというと。
白の足元まで隠れる細身のシャツガウンにズボン、頭にはスカーレッドに黄色のアラベスク模様のスカーフがあり黒い頭蓋帽があり黒のスカーフバンドで止めている。足はサンダルで腰には黄金の笛がある。
その青年、美青年が流暢な名乗った。
「ウサム=アル=ラシードです」
「お久しぶりです」
美樹が挨拶を返した、二人を代表して。
「また宜しくお願いします」
「こちらこそ」
ラシードは微笑で美樹に返して挨拶を返した、そのうえで。
由乃、自分を赤くなった顔で見ている彼女を見てだ、美樹に問うた。
「こちらの方は」
「はい、今回一緒に仕事をさせて頂く」
「はい、三島由乃です」
由乃も仕事で来ている、それでここで我に返って礼儀正しく挨拶を返した。
「宜しくお願いします」
「はい、こちらこそ」
「それでは早速」
美樹は二人の挨拶が終わったところで話を切り出した。
「仕事のお話を」
「しましょう」
ラシードも応えてだ、そしてだった。
ラシードの屋敷の客室に案内され三人で仕事の話をした、途中食事も交えてかなり長い時間話した。その後で。
車でホテルに戻る時にだ、美樹は笑って自分の横にいる由乃に言った。
「あそこで我に戻ってね」
「挨拶の時に」
「よかったわ」
「あの、本当に」
「格好いい人でしょ」
「お顔も凄く整ってて」
「長身でね」
「服も」
彼が着ていた服についてもだ、由乃は言及した。
「アラブの服で」
「あれはトウブというのよ」
「トウブ、ですか」
「サウジアラビアというかアラブ人の民族衣裳で」
美樹は由乃に説明した。
「白くて薄い生地でしょ」
「あれでこの辺りの日光や熱気を防ぐんですね」
「そうよ」
「やっぱりそうですね」
「頭にあるのはスカーフだけれど」
美樹はそのスカーフの話もした。
「あれはクーフィーヤというの」
「クーフィーヤですか」
「それでスカーフバンドはイガールね」
「あの縄のバンドにも名前があるんですね」
「そうなの、ドウブとクーフィーヤでね」
この二つでというのだ。
「砂漠の日差しも熱気も砂嵐もね」
「防ぐんですね」
「この辺りの生活の知恵よ、それと正装にもなっているけれど」
「何か」
ここで由
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