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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第537話】
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るのは君と織斑一夏君の二人――だが、世界が知らないだけで男の操縦者もまだ居るのだよ。 無論秘匿情報なのだがね」

「他にも……」


 過るのは赤い髪の亡国機業に居た男――なら今少なく見ても四人の男の操縦者がいる……。

 そう考えていた俺にウィステリアは――。


「すまないが時間だ、君とはまた会う事になるだろう」

「え? ま、待ってくれ! 聞きたい事があるんだ!」

「……良いだろう、言いたまえ」

「何で……こんなことを……?」

「……これから先に起きる最悪の未来、それを避ける事が私の使命だが、君自身にも試練を与えたつもりだ。 ……今は休みたまえ、では【京都】で会おう」


 言ってから光の粒子となって四散するウィステリア――残された俺はただ一人砂浜に取り残された。


『――ルト、ヒルト!? よかった……中枢部に入ってから連絡つかなくて心配したよ?』

『え? ……美春、今のやり取り……』

『……? 何かあったの?』

『……いや、何でもない……』


 そう呟き、天を仰いだ俺――暫くすると視界は真っ白に染まり、意識が遥か彼方に吸い込まれる様な感覚に襲われ、意識を失った。

 一方――。


「……ふぅ」

「……兄さん」

「……シルバーか、ここではボスだとあれほど――」


 そう咎めようとしたウィステリアだったが、シルバーは言葉を続けた。


「単一使用【覚醒(アラウザル)】したでしょ……?」

「……さて、な」


 そう呟き誤魔化すウィステリア・ミストにシルバーは腕組みしてため息をはいた。


「…………もう」

「そんなことよりもだ、今夜出掛けるぞ」

「……わかったわ、カーマイン、スレートの二人は?」

「カーマインは向こうで合流する手筈だ、スレートに連絡を」

「了解。 ファントムとウサギの会合に……よね、兄さん?」

「無論だ」


 二人のやり取りはそれで終わり、シルバーは部屋を後にした。


「未来……か」


 そんな呟きが静かに室内に消えていった。
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