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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第537話】
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「……?」
そう言って歩み寄るクロエと名乗った少女――刹那、間合いを詰め、懐へと飛び込もうとしてきた。
「ここで貴方には果てていただきます」
「……!?」
着ていた服の袖から刃渡りの短いナイフが飛び出してきた、咄嗟に反応が出来なかった俺を強襲するクロエ――だが。
「……残念だが、彼を殺させる訳にはいかないな」
「……!!」
光の粒子が集まった瞬間、それはいきなり人の形を形成し、クロエの振るうナイフの一撃を指二本で受け止める。
「大丈夫かね、有坂ヒルト君」
「え……貴方は……」
見覚えがあった、以前ホテルテレシアで出会った仮面の男――確か名前はウィステリア。
「どうやら覚えてもらっていた様だね。 光栄だよ」
白い歯を見せて小さく笑う仮面の男に、クロエは――。
「ずっと感じていた視線――貴方ですか。 ……まさか、時々此方を妨害していたのは――」
「フッ……『彼女』に淫靡な夢は似合わない、故に彼女には【別の夢】に代えさせてもらったよ」
「…………」
有り得ない――『ワールド・パージ』は私だけの――そう考えていたクロエに、仮面の男は呟く。
「フフッ、どうしたのかね? 有り得ないといった表情だが?」
「っ……」
ナイフを手放すと一旦距離をとるクロエに、仮面の男は指で挟んだナイフを見てから海原へと腕を横に振るって投げた。
空気を切り裂く刃の音が小さくなり、海原へと消えていった――そして、クロエは。
「……新たなイレギュラーの発生。 ……あの方に報告を――」
「フッ……報告など無駄さ、直に君のいうあの方とは会う事になっている、それは必然ってやつさ、これがな」
「………………」
言葉語らず暫く張り詰めた空気が流れる――そして。
「……此度はこれにて退場致します。 有坂ヒルト、いずれまた相まみえる事でしょう」
そう告げるや、クロエの姿は自身の影に沈んでいく。
「え……?」
言葉をかける前に消えていった彼女、残されたのは俺と仮面の男ウィステリアだけだった。
「……さて、すまなかったね。 君の幼なじみに私は怒られてしまったよ」
「……では貴方が今回の騒動の真犯人……?」
「……いや、だが君と幼なじみの彼女……そしてもう一人だけに私は介入させてもらっただけだよ。 幼なじみの彼女には『特別な夢――いや、体験』にさせてもらったがね」
「…………」
言葉がうまく出てこない中、俺は一つの疑問を呟く。
「……貴方も、ISに乗れるのですか?」
「無論だ。 世間一般に広まってい
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