第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#18
DARK BLUE MOON] 〜Body Feel Ignited〜
[5/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
こうも昨日の今日で再戦挑んでくるとは想ってないだろうし」
「やれやれ、ジジイのスタンドはDIOのヤロー以外、
相手の姿を視ねーと “念写” 出来ねーからな。
ったく使えるんだか使えねーんだかよく解らねー能力だぜ」
「……ジョセフは、ゆっくり休ませてあげましょう。
顔には出してないけど、色々と無理してると想うし」
「……まぁ、オメーがそう言うんなら、そーしてやっても良いけどよ……」
早朝のフロアを特徴的なデザインの学制服姿で共に歩きながら、
無頼の貴公子と清洌の美少女は昨日朝食を取ったカフェに足を踏み入れた。
前もってジョセフが予約を入れておいてくれたのか、
昨日と同じ若いウェイターが丁寧な物腰で二人を席へと案内する。
「……」
「!」
そこに、優雅な仕草で食後の紅茶を嗜む先客の姿があった。
「やぁ」
承太郎とシャナの姿を認めると、その声の主、花京院 典明は
衒いの無い穏やかな笑顔で手をあげる。
「おまえ、昨日どこ行ってたのよ?」
彼の真向かいの席に座ったシャナが、
約24時間振りに姿を見せた翡翠の美男子に問い質す。
「え? あぁ、まぁ、ちょっと、ね」
心なしか困ったような表情で、彼は笑顔のまま口を籠もらせる。
いつもよりその風貌が細く見え(若干ではあるが)香水の匂いも濃いように想えた。
「享楽に現 を抜かす者とも想えぬが、若気の至りという箴言も在る。
自律を怠るでないぞ、花京院」
シャナの胸元で、美香に混じったほんの微かな酒気を感じ取ったアラストールは
威厳のある声でそう進言する。
「え、あぁ、そうですね、アラストール。
久しぶりの香港の街が楽しくて、つい」
そう穏やかに返しながら花京院は、どことなくほっとしたような表情で彼を見る。
「まぁ、いいけどよ。それよりオメー今日暇か? ならちょいオレらと」
「ゴメン、暇じゃないんだ。ちょっと、「先約」 があって、ね」
「先約?」
承太郎とシャナが声を重ねると同時に
「まぁ、人助けのようなもの、かな?」
と端的に花京院は告げる。
「昨日この街でボクらと同じ旅行者の人と知り合ってね。人捜しを手伝ってる。
色々と調査をしてその手懸かりも幾つか見つけられたから、
今日辺りにはもう探し出せると想うんだ」
隣同士の席で承太郎とシャナは無言のまま顔を見合わせる。
「……なら、しょうがねぇか」
「お人好しも大概にしておかないと、後で自分が損する事になるわよ。花京院」
特に懸念を抱いた様子もなくさらりとそう告げる両者。
「それじゃ、もう行かないと、こっちの調査が早く終わったら後で合流するよ」
爽やかな果実の微香を残して、中性系の美男子はエントランスの方向へと退出する。
「……」
「……」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ