暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#18
DARK BLUE MOON] 〜Body Feel Ignited〜
[3/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
が在るかどうかは甚だ疑問だ。
 加えてソレを深く追求するコトが、
どう考えても良い結果に繋がっていくとは想えない。
 なのでこの一件は 「流して」 しまうのが得策だと判断した承太郎は、
淡い嘆息と共にベッドから腰を浮かせる。
「朝っぱらから頭が痛ぇ。眠気覚ましにシャワーでも浴びてくンぜ。
“ソイツ” が起きても騒がねーようにしとけ」
「むう……」
 深遠なる紅世の王に対し有無を云わさぬ口調でそう命じた承太郎は、
不承不承の面持ち(?)で応じるアラストールの声を聞きながら
バスルームの扉を開く。
 しばしの沈黙の後、聴こえてくる静かな水音の許、
少女は小さく寝返りを打ちながら天使の囁きのように誰かの名前を呟いた。





【2】


「ン……ンンぅ……」
 件の、未曾有なる騒 擾(そうじょう)から数十分後、その事象を引き起こした張本人で在りながら
ソレとは全く無関係と云った清澄な表情で眠りから覚めた少女は、
部屋に降り注ぐ陽光と早朝の空気の中、躰を(ほぐ)すように大きく伸びをする。
 その小さな耳元に青天の霹靂の如く伝わる、聞き慣れた青年の声。
「ようやくお目覚めか? お姫サマ……」
(!!)
 手入れの行き届いた清潔なベッドの上から咄嗟に視線を向けた先、
絶対にそこにいない筈の人物が革張りのソファーの上で長い脚を組み、
学生服姿のクールな佇まいで目覚めの一服を燻らせていた。
「ふぇ? 承……太郎……? あれ、え? 
なん、で? 私、わた、し、あ……ッ!」
 気怠い眠気が残らず消し飛び刹那に覚醒した少女は、
昨夜自分があやふやな意識と勢いのままに行ってしまったコトを
いま明確に認識し、その事態の大きさに慄然となった。
 そし、て。
(……だ、だって、だって、全然、眠れなかったから。
だから、安心できる人の傍なら、ちゃんと眠れると想ったから。
だって、体調を万全に保つのも使命の一つだし、
またアノ女と戦わなきゃいけないし、それにこんなコト、承太郎じゃないとできな)
 ほんの僅か数秒の合間に、言い訳とも釈明ともつかない言葉の羅列を
一息もつかず次々と心中で溢れさせる少女。
 だが実際に口頭でなければその意味をなさず、
しかしそんなコトは口が裂けても言えないという心情の許
シャナは完全にしどろもどろとなる。
 そんな狼狽と錯綜の渦中にある彼女へ届く、天啓のような一言。
「“寝惚ける” のも、大概にしとけよ。
次は 「墜ちて」 も知らねーぞ」
「ふぇッ!?」
 身を護るようにシルクのシーツを胸元に手繰り寄せていたシャナは、
承太郎の想定外の言葉に頓狂な声をあげる。
「夢ン中で、グゼノトモガラとヤり合ってて、
更にはDIOのヤローまで出てきやがったからエスカ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ