第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#18
DARK BLUE MOON] 〜Body Feel Ignited〜
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わしてその間にラミーを逃がす事も出来る。
後はオメーの好きにしな。
その独り善がりな女に説教くれるなり再戦挑むなりよ」
「……」
高潔な微笑と共にそう告げられた少女は、
旋風に舞い踊る彼の気配に気怠い眩暈を覚える。
スゴイ。
やっぱりこいつは、本当にスゴイ。
ラミーがアラストールに会いに来ただけで、
そこから自分の想いも拠らない解答と策をこうも簡単に引き出してしまうなんて。
コイツと一緒なら、本当に本当に、
出来ない事なんて何も無いんじゃないかって想えてくる。
「承」
敬意と思慕を同時に含んだ声で、シャナが彼に近づこうとした刹那。
(!!)
それを阻むように莫大なる存在の波動が、少女の脳幹を直撃した。
「な……! な、に……!? この……凄まじい力の胎動……!
まるで……この世のありとあらゆる憎悪が……一点に集まっていくみたい……ッ!」
「むう! これは紛う事なき “弔詞の詠み手” の波動! しかし一体何故!?」
一度感じたら忘れようがない、この世の何よりもドス黒い憎悪に
王とフレイムヘイズが戦慄する中、
「どういう事だ!? その女が今! こっちに向かって来てんのか!?」
その存在を感知できない承太郎が二人に叫ぶ。
「ち、違う。どこかで、ジッとしたまま、動かない。なのに……ッ!」
結果としては此方の有利に事が運んでいるにも関わらず、
とてもそう想うコト等出来はしない、懼るべき脅嚇。
「バカかその女!? 相手の居場所も解らねぇのに
テメーの気配全開にしたら逃げられちまうじゃあねぇか!」
「……居場所は、解ってるのかもしれない……」
承太郎の真っ当な正論を、
シャナは永い経験で培われたフレイムヘイズ特有の見解で否定する。
「何だと? でも一体どうやって?」
「それは、解らない……でも、コレ、フレイムヘイズが紅世の徒を討滅する時に出す気配。
何をしても、どうやっても、 『絶対に相手を滅ぼす事が出来る時にしか』 出せない気配。
まるで、止めを挿すその瞬間みたい……!」
「情報戦は、向こうの方が上だったって事か……!」
その詳細は不明だが、シャナがそう言う以上否定する気はない承太郎は、
即座に思考を切り換えまだ視ぬ強大な敵が存在する香港の街路を見下ろした。
何の脈絡もなく、急激に差し迫った状況。
此方の思惑など寸分も斟酌してはくれない、混沌の坩堝。
ソレが、真の戦闘。
「やれやれ、四の五の考えてる暇はねぇな。
ラミーのヤツが危ねぇ! シャナッ!」
鋭く彼女の名前を呼ぶと同時に承太郎のスタンド、
スタープラチナが背後から音より疾く瞬現する。
「りょうか、え!?」
応えると共に己も炎髪灼眼に変貌しようとしたシャナの躰が、
いきなりスタープラチナの鍛
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