第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#18
DARK BLUE MOON] 〜Body Feel Ignited〜
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る限り平淡な口調で訊く。
「……さっきのラミー、本当に “モノホン” だったのか?」
「どういう、意味?」
フレイムヘイズではない承太郎に、紅世の徒の気配を察知する能力は無い。
それは本人が一番解っている筈なのに、
確かめようがない事象を彼がわざわざ口にした事へシャナは小首を傾げた。
しかし承太郎はソレとは別の「領域」から紡ぎだした解答を、
確信を込めて言い放つ。
「前に花京院から、単体では存在しない
“群体” のスタンドがあるって聞いた事がある」
「!」
唐突に話題が変わったが、ソレがラミーの「本性」を解き明かす
重要な事実だと認識した少女は言葉を返す。
「でも 『幽波紋』 は、 “一人一体一能力” が
絶対の原則なんでしょ? ソレと矛盾してない?
複数の幽波紋なんて」
「あぁ、だから “全部で一つ” 『葡萄の房』 みてぇなモンさ。
そうだな、スタープラチナを細かく分解かして、
そのちっこい一体一体で構成されてるスタンドって言えば、少し解るか?」
「う、う〜ん。まぁ、なんとなくは……」
シャナは心なし小さな顎を引いて、上擦ったように応じる。
その脳裡で小さくなった無数のスタープラチナを想像して、少し可愛いかもと想った。
「つまり、さっきのラミーもソレと一緒で、
『本物ではあるが実体はその一部に過ぎない』ンじゃあねぇか? って言いてぇのさ」
「むぅ……?」
無頼の貴公子が発したその提言に、アラストールが反応した。
その彼の疑念を補填するように承太郎は言葉を続ける。
「オレよ、一応警戒はしてたんだぜ。
いつその “女” が襲撃仕掛けて来ても、対応できる位には気を張ってた。
でも考えてみりゃあ妙な話だ。
いくら知り合いだからって、“常時追われてるこの状況で”
そんなリスクを犯してまでアラストールに会いに来ようとするか?
闇金で首が回らなくなったマヌケじゃあるまいし、来りゃあ100%捕まるのによ」
そこで承太郎は制服の内側から煙草のパッケージを取りだして火を点け、
回転した脳細胞を宥めつつも前にいる二人に思考する時間を与える。
「うむ。確かにラミーを庇護する立場に在る我等を “保険” として、
蹂躙らが張っていたとしても不思議はないな。
自身が動かずとも宝具や自在法を用いれば造作もなき事。
何よりラミー自身がそのような瑣事を見過ごすとは到底想えぬ」
古き朋友との久闊の邂逅により、客観性を欠いていた己を厳粛に諫め
アラストールは承太郎の意見を首肯する。
「“にも関わらずラミーのヤツは来た” そして 『追っ手の女は来なかった』
そっから導き出せる結論は、二つ」
紫煙を深く吹き先
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