1話 二人の男子
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りを育てるための学校。IS学園。
そこで俺は、授業を受けていた。
後ろから突き刺さる、女子の好奇の目線と共に。
何故かISは、女性しか操縦できない。それが、世界の常識だった。
ISに乗れない男性は自動的にその社会的地位を下げ、女尊男卑の風潮が漂っていた。
まぁ、俺――織斑 一夏が、世界で初めて、ISを起動させてしまった分けなのだが。まぁ、そんなことはどうでもいい。俺にとっては、この教室で、女子に囲まれて生活を行うということが、よほど大事だ。
「えーっと、織斑 一夏です。よろしくお願いします」
「「「(ジーッ)」」」
「……えと、それだけ、ですか?」
「え? あ、はい。」
目の前の緑髪の先生――確か、山田 摩耶という名前だったはずだ――が困った顔をする。が、なんでそんな困っているのだろうか。
……ん? 何か、頭の上から振り回されて…………
「痛っ!?」
「馬鹿が。自己紹介さえもできないのか」
「……千冬姉?」
「織斑先生だ。このたわけが」
俺が顔を上げると、そこには、いつもなら家でぐーたら過ごしてる俺の姉――織斑 千冬が立っていた。その右手には、俺を叩く際に使用したと思う出席簿のようなものが……煙出てるっ!? どんだけ強く俺を叩いたんだっ!?
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になるようにするのが私の役目だ。私の言うことには、分かっても分からんでも『はい』と言え。 ――いいな?」
千冬姉が登場した瞬間、クラスの女子が湧いた。
「千冬様〜!」
「もっと罵って!」
「私、千冬姉様に会うために、九州から来たんです!」
……それはもう、凄い黄色い声で。が、千冬姉――織斑千冬の愛称だ――はそれを歯牙にもかけず、口を開いた。
「とりあえず、このクラスに急遽転入することとなったやつを紹介する。……入ってこい」
転入生? この時期にか?
IS学園は、その特殊性(人気で枠が埋まった、難関すぎて転入試験に落ちる…etc.)の影響があるのかは知らないが、転入生が殆ど来ない。だからこそ、この時期に転入生が来るのは珍しい……と、山田先生にこっそり教えてもらった。なるほど。
ちなみに、俺が疑問に思ったのは、入学式である今日に転入生が来たと千冬姉――ゴホン織斑先生が言ったからだ。それぐらいなら、わざわざ転入生として紹介せずに、同じ新入生という括りに入れた方がいいきがする。ま、それが学園が決めたことなら俺なんかが口出しするのがおかしいか。
織斑先生がドアに手招きをすると、転入生とおぼしきやつが歩いてきた。
黒緑色の髪に、翡翠のような瞳。知性が見え隠れするクール系の顔。そしてかなり広い肩は……ば…………?
気のせいだろうか。何か
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