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シュロム
シュロム
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[9] 最初
倒れるからね」
「…え?」
「じゃ、これからも和羽ちゃんの事よろしくお願いします」
「…え?え?」
バタッと和羽が倒れた。
「歩嶺…」
「和羽!大丈夫か?」
「…大丈夫」
和羽が元に戻った。

天野は一命を取り留め、天野財閥病院に入院。回復し次第逮捕。テゥエル、本名及び消息不明。

『遅い』
「あぁ、遅い」
みあの心の呟きに賢徒が頷く。青い目をした異質な二人が並んで立っているのは天野財閥病院の前。服装はあの時と変わらない。
「悪りぃ悪りぃ、遅れた」
空奈が走ってやってきた。相当走ったようで、かなり息切れしている。
「あのカップルには負けたくなかったからさ…」
空奈が左を向くと、楽しそうに話しながら遅刻していることなど目にも止めずに歩いて来ている二人の姿があった。
「おーい、和羽、歩嶺、イチャイチャすんなよ!」
「空奈ちゃーん!イチャイチャなんてしてないよぉ!」
和羽は手を振りながら赤面する。
「ちょっと遅れたかな」
「だいぶだ」
歩嶺が頭を掻きながら言うと、賢徒が腕を組んで答えた。
「そっか、ごめんごめん」
『別に』
「そろそろ瑠璃が来る」
「見てきたのか?」
歩嶺が問いた。
「あぁ」
「皆んなごめーん、遅くなっちゃって」
声のする方を見ると、全力で走るも体力が尽きて走れなくなっている瑠璃がいた。
「揃ったな」
「行きますか」
皆が瑠璃の元に歩み寄る。
「ごめんごめん」
「じゃ、行こっか」
和羽が皆の顔を見ていった。そして皆頷く。全員が同じ方向に向かって歩き出した。
歩嶺は一人立ち止まり、後ろの病院を振り向く。
「どうしたのー?」
振り返ると、そこには沢山の仲間がいた。たった一日の出来事だったけど、僕はきっと忘れない。
「おう、何でもない」
歩嶺は仲間に追いついて、皆んなで新しい一歩を踏み出した。
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