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シュロム
シュロム
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なかった」
和羽のカゴメが言った。
しばらくして、霊魂のようなものが倒れた天野から抜け出した。
「あれがカゴメの姿よ」
抜け出したカゴメはしばらく浮遊した後、テゥエルに吸収された。
「みんなありがとう。気づけた」
テゥエルが言った。
「カゴメ達の世界に帰るよ」
テゥエルは静かに振り向くと、にこやかに笑って消えて行った。
「さぁて、一件落着したところで、何か聞いておきたいこととかあるかしら?できる限りで答えるけど」
しんとする。皆聞聞きたい事は山のようにあるのだが、何から聞いていいのかさっぱりわからない上、危機が去った安堵と急展開で頭が回っていない。
「あー、じゃあ僕から」
「何かしら?」
「えっと…シュロム?って結局のところ何だったんですか?よく理解できなかったんですが」
「そうね、ここで詳しく説明しておくべきよね。そもそもシュロムというのはフランス語で超人という意味なの。確かフランス人が最初に見つけたからだったかしら。そのまんまね。それで、基本シュロムは私や天野さんのような生まれつき、この世に命を得た瞬間からカゴメを持つ存在しかいないはずだった。でもあなたたちは、私の想像だけど産まれてご両親が亡くなって、独り身になってしまったところにとある薬を投与された。どんな薬かはわからないわ。恐らくこの部屋の周辺に保管されてるか、もう製造は行なっていないと思うのだけれど。そして、カゴメが呼び出されて能力者となった。本来であれば私のように能力者には能力を隠して、影で能力を駆使して能力者を支えるのが一番だと思うのだけれど、私たちには個性があるからそうもいかないのよね」
「はぁ…。何となくわかりました」
「そうだ!あなたたちが望むなら、きっとだけれどその能力、消す事ができるかもしれないわ」
「それはどういう意味だ」
久々に賢徒が声を発する。
「私の能力は超想像能力なのよ。想像力も高まるけれど、それ以上に、想像した事を現実化する事もできる。こうしてみんなが集まったのも私が能力を使ったからなの。だから私が想像すれば、望めば、願えば、あなたたちの能力も消す事ができるかもしれないわ。ただ現実のものにするっていう力が薄いから何とも言えないけどね。それに私の能力には代償がつくわ。この先危険な事があるかもしれない。それでもよければ消す事ができるけれど」
「いい」
即答したのはみあだった。
「みあは力のお陰で生きてる。ここで力を消したら、死ぬかもしれない。だからいい。それに…仲間ができた。力のお陰で」
和羽のカゴメはニコッと笑った。
「…そうね。やめておきましょう。じゃあ私はいつもの和羽ちゃんに戻るわね。あそうだ、みんなが集まる事に関して使った能力に対する代償がまだ起こってないから、これから先、気をつけてね。あと、今和羽ちゃん気絶してるから、
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