第8話:万華鏡の少女たちとの出会い、そして〜
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(イリヤ・・・なのか?)
突然のことであたまが上手く回らない。どうするべきかと悩んでいた時だった。
「あっ、美遊??」
黒髪の少女が泣きながら俺に抱きついてくる。そして特大の爆弾を投下してくれました。
「お兄ちゃんっ・・・!」
「えっ・・・」
「ハアアアアアアアッ??」
「どういうことですか先輩??」
近くで遠坂の雄叫びとマシュの少し怒りに満ちた声が響き渡ったのだった・・・
(どうなるんだ、これ?)
その時だった。
ズキッ
(うっ、何だコレ?)
頭の中に様々な不思議な光景が浮かび、駆け巡る。
まず浮かんできたのはーーー
(これは・・・この娘の記憶か?)
私と彼、衛宮士郎は昔兄妹だった。もちろん、それはこの世界での話ではなく、別の世界で。
私の生まれである朔月家は特別な家系で、人の願いを叶える力を持っているという。それは私も例外ではなく、その力を狙う勢力に追われ、私以外の朔月家の人は殺されてしまった。
ある時言われたことがある。
『生まれたことが罪』
否定できなかった。朔月の家なんかに産まれなければ、望んでもないのに与えられた力もなく、家族に囲まれて、恋人を作って、幸せな日常が送れたかもしれない。ある時それに気づいた時、私は生きることを諦めてしまった。
だけど、そんな時に彼が、衛宮士郎が現れた。
彼は私に全てを教えてくれた。料理、掃除、洗濯、遊ぶこと、憎悪が伴わない怒り、嬉し涙、笑顔。全てを捨てた私が、今こうしていられるのは彼にもう一度与えられたから。彼が、お兄ちゃんがいなければ、私はとっくの昔に果てていたと思う。
お兄ちゃんが来てからの生活は劇変した。世界に色がついたように、毎日が楽しくて楽しくて仕方がなかった。
でも、そんな日々は長くは続かなかった。
7歳の誕生日の日、私はエインズワースという魔術師の家に誘拐されてしまった。
今までの私なら、仕方がない、これが運命だと諦めてしまっていたと思う。けれど、お兄ちゃんに出会えって、私はもうそれが運命だといって流されるだけの、逃げてるだけの子供から成長したのだろう。初めて、この暗闇を断ち切りたいと思えた。
私はできる限りの抵抗は続けた。心の中でお兄ちゃんを待ち続けた。彼ならきっと助けにきてくれると、だから自分もただ待つのではなく、やれるだけの抵抗をしようと。
そして、本当にお兄ちゃんは来た、来てしまった。お兄ちゃんはエインズワースの化け物みたいな魔術師を倒して、牢獄にいた私を迎えに来てくれた。私はその時、初めて自分の愚かさを知った。
お兄ちゃんの体はボロボロだった。髪はいくつか白髪になり、左
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