第8話:万華鏡の少女たちとの出会い、そして〜
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そこには、心臓を穿たれ頭から大量の血を流し倒れ伏している俺。そして、空に開いた渦に呑み込まれながら、こっちに向かって手を伸ばし何かを叫んでいるこちらもボロボロなイリヤ・美遊・クロの姿が見える。ぼんやりとしか分からないが、皆、その顔は泣いているように見えた。
『戦いは終わったのに。また、美遊の沢山の心からの笑顔を見れたのに・・・美遊も、この世界も救えたのに・・・ほんとに大事なのはこれからだってのに・・・ああ、だけど・・・・・・もう俺は側にいてあげられないんだな。それだけが本当に悔しいよ。だから最後にまた一つだけ願う。どこかの俺。俺の妹を、頼むよ、どうかこの娘にーー』
悔しそうに、だけど嬉しそうに、そう呟く。それを受け取った俺は、聞こえるか分からないけどその声に答えた。ただ一言・・・・・・
『ああ、任せろ。』ってな・・・・・・それを聞いた瞬間、知らない俺は安堵していたように見えた。
そして、記憶はそこで終わり、それと同時に、この俺の全ての戦闘経験と魔力が流れこんでくる。
(憑依経験・共感終了。)
(!・・・・・・・・・・これ、は。)
膨大な魔力 。
さっきまでの俺も、美遊の世界の俺でもここには至ってはいない。
そして以前と比べて格段に強度が上昇し本数が増加した魔術回路 。
(経験している間に、回路も鍛えられたのか)
(・・・うん。これなら『無限の剣製』をかなり長時間使用できるし、美遊の世界の俺の戦闘経験に出てきた『永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)』も二、三度ぐらいなら短時間で使用できる 。つまり、今までよりも戦闘面で皆の役に立てる。皆を守ることもできる!)
そして、意識を取り戻した俺は、俺に抱きついたまま周りを憚らず泣いている美遊に声をかける。
「事情は全て理解したよ、美遊。ほんとに辛かったな。そして・・・ほんとによく頑張ったな。」
そう言って抱きしめ頭を撫でてやる。
「っ・・・・・・!うええええぇぇぇん!お兄ちゃん、お兄ちゃあぁん??」
それを聞いた美遊は、後悔が完全に溢れ出したかのように
より一層強く泣く。
「よしよし。でもな、美遊。俺はやっぱり美遊の笑った顔が一番好きだ。美遊が泣いてるのを見るのは俺も悲しい。だからあの笑顔をまた見せてくれないか?」
「でも、でもっ!私はっ!」
「・・・確かに美遊が笑顔になれない理由はわかる。だけどな。俺も、並行世界の俺も、傷つき苦しみ悲しむ誰かのために正義の味方を張り続けなきゃいけない。 そう誓って、進んできた。結局、そこは同じで、そうやって生きてきたうえで遭遇した出来事だ。だから並行世界の俺も自分を恨むことはしても、|
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