第3節:A.D.2015 〜人理継続保障機関フィニス・カルデアA 医務室にて〜
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その後、俺はマシュに支えてもらい、そしてさっきまでの会話で俺が気になった単語全てについての説明をしてもらいながら、なんとか医務室の前まで辿り着いた。
「レフ教授が言っていた通りなら此処に遠坂もいるんだよな、マシュ?」
「はい、その筈です。先輩。」
俺は一つ、此処に辿り着くまでずっと気になっていることがあった。
(うーん、やっぱり気になるんだよなあ。俺と桜は同じ高校の2年生と1年生の関係だったから桜に先輩って呼ばれるのは納得がいってたし、その呼び方が当たり前になってた。だけどなんでマシュは赤の他人で、しかも出会って間もない俺のことを最初からずっと先輩って呼ぶんだろう?どうしても気になるし、理由もなく先輩って呼ばれるのはなんかこそばゆいから、此処は一つ思い切って本人に聞いてみるか。)
「なあマシュ、なんで俺のことを先輩って呼ぶんだ?」
「それはですね、衛宮 士郎さんは私が今まで出会ったきた人の中で一番人間らしい人だからです。だから、苗字や名前ではなく先輩と呼ばせてもらっています。」
(成る程、そういうことだったのか。)
「解ったよ。じゃあさ、話は変わるんだがあの不思議な動物にフォウって名前をつけてあげたのも君なのか?」
「はい、その通りです。そこに気づくとは流石先輩、かなりの直感をお持ちとお見受けしました。」
「そ、そうなのか?・・・ってうわっ!」
「フォウフォウ!クー、フォーウ!フォーウ??」
「おや、噂をすればですね。ちょうどフォウさん本人がいらっしゃいました・・・ふむふむ。先輩、どうやらフォウさんは先輩を同類として迎え入れたようですね。しかし、人をライバル視するリスのような不思議な生き物はありなのでしょうか?」
「いや、それを俺に聞かれてもな。というかひょっとして俺、フォウにライバル視されてるのか?」
「はい、どうやらそのようですね。まあ、フォウさんのことですから明日には忘れてしまっていると思うので、あまり気にしなくても大丈夫だと思います。」
その時だった。
「そ、そう「しつこいって言ってんでしょ??」か?」
俺はこの声の持ち主を忘れるはずもなかった。
「まさか今の声って・・・?」
「はい、医務室の中からですね。先輩。」
「あ、いやそういうことじゃないんだ。」
「え、ではどういうことなのですか?」
「医務室に入ったら説明するよ。」
そう言いながら俺は医務室のドアを開けた。するとそこには俺の想像通りの人物、違う言い方だと通称"あかいあくま"が、格好から考えるに恐らくこの部屋の主と思われる人と言い争っていた。
(ああ、やっぱり遠坂だったな、この人と話す、というか揉めてたのか。今すぐあいつに話しかけたいし話し
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