アブソーブディシジョン
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こんな戦いはしたくない……」
あれからもう滅茶苦茶でステルスなんてはるか彼方に蹴っ飛ばしたような阿鼻叫喚の中、ジャンゴとなのはは精神的に物凄い疲労を感じながらも何とかフナムシを全滅させたのだ。その時の光景、というか惨状は筆舌に尽くしがたいが、とりあえず二人はこれほど生き残れたことを強く噛み締めた事は今までに無いとまで思っていた。
「なんかもう夢でうなされそうだね、これ。捕虜の人達は今の地獄絵図を見ずに済んだというのが、ちょっと羨ましく感じちゃうほどだよ」
「同感……スパイダーでそれなりに虫に耐性はあったつもりだけど、これは僕ですらトラウマになりかけた」
「うん、すごくわかるよ……。ただ私達、戦いで相当騒がしくしちゃったね」
「仕方ないよ、この場合。ともかく今頃警報が鳴ってたとしても何もおかしくないけど、なぜか鳴ってないって事は……先に基地に潜入したビーティーが何か細工をしてくれたのかな?」
「じゃあ今の内に捕虜の人達を助け出そう!」
という訳で余裕のある内に二人は捕虜を閉じ込めている牢獄を、今のトラップ解除で手に入れたカギで開けようとしたその時、地面の岩肌をおびただしい人の血が流れている事に気付いた。血は収容区画の奥から流れてきており、二人は奥に重傷者がいると思って一旦この先に進む。
やがて二人はこれまでのと同じ牢獄を一つ見つけ、中にいる負傷した老人を目の当たりにする。老人は鉄格子に寄りかかって何かに撃たれたらしい腹部を手で押さえながら、息も絶え絶えにどうにか現世に命を繋いでいた。
「大丈夫ですか! すぐに治療を!」
足に打ち付けられた鉄杭に苦々しい表情を一瞬見せた後、慌てて治療道具を取り出そうとするなのはだったが、二人に気付いた老人はどういう訳か、なのはの手を抑えて治療を静止した。
「よい、儂はもう助からん。治療なら、他の者達を優先してくれ……」
「そんな……!」
「気にするな、これも一つの因果応報だ。それより、お主達は何者だ……?」
「えっと管……じゃなくて、私達はアウターヘブン社の人間です。皆さんの救助に来ました!」
「そうか……。ならば……お主達に、伝える事がある。あの男の計画が、最終段階に到達した」
「あの男……スカルフェイスのこと!?」
「奴は……先程まで、ここにいたあの娘を……」
「あの娘?」
「あの娘の名は……アリシア・テスタロッサ……」
「アリシアちゃんが!? 一体どうしてここに……!?」
「奴は……あの娘の力を、利用するつもりだ。どう使うかは儂もわからん……だが、よくない事に使われるのは、間違いない……! 頼む、あの娘を救ってやってくれ……!」
「はい……必ず! アリシアちゃんは私の友達です、絶対助けて見せます…
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