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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
我らレジスタンス組織「自由の民」
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「もしもし。テューレだがどうしたんだ?」


「はい、テューレ様。現在フォルマル伯爵家の領府イタリカで潜入任務に就いているコードネーム{翠星石}と{真紅}の両名から先ほど連絡が入りまして、
異世界へと繋ぐ(ゲート)が存在するアルヌスの丘から異世界の軍隊が現れ進撃を開始し、対応に当たっていた現地の帝国軍およそ2個軍団(レギオン)が僅か4時間で壊滅状態に陥ったとの事。このままだと1カ月中には間違いなくイタリカに押し寄せるとのことです。それを踏まえて今後の対応を両名とも求められていますが、陛下は如何なさるのですか?」


昔親衛隊所属であった彼女の声は少し興奮していた。しかし、その理由も痛いほど分かる。何せ予め言われていたのだが、言葉や文化が違う異世界の軍隊がこちらに侵攻してくる”という言葉が見事当たり、更に彼らは2つの敵対勢力を抱える一行にとってかなり警戒すべき勢力であるからだ。カルデアよりもレベルは低いが、自分たちの扱っている銃火器や装甲車両などは全て向こうの世界”で発明された代物で、
自分たちの扱う兵器よりも上回るものを多く採用していると聞いていたので、
果たして対立する事になった場合どこまで抗えるのかと不安になったからだ。


何しろ自由の民は基本的にルルドと呼ばれる流浪の民を除けば人間嫌い、多少思う所があってなるべく接触したくないもの、怨恨ある敵と人間に対して見方が厳しいので、人間だけの軍勢はそれが異世界のであろうが人間である以上余り好感度を抱けないのだ。
例えそれが味方になってくれるかもしれない存在であろうと、彼女たちは今までの経験からつい戦う場合を想定してしまうのだ。


一先ず彼女はその不安を押しのけて、
テューレは一体どう彼女に答えるべきなのかと必死に脳味噌をフル回転させる。
信頼している2人にこのまま潜入任務を続行させるべきなのか、それとも任務を中断させてここまで帰還命令を出すべきか、どちらの選択肢を取るか迷っていた。


前者の選択なら、
件の(ゲート)を通じてこの世界に進撃してきた異世界の軍隊、確かカルデア所属の人たちは自衛隊と呼んでいたが、
それの情報を得ることが可能だろう。
間違いなく「帝国」の食糧供給源の1つとして有名なかの場所を自衛隊は占領し、
統治下に置くのが想定できるからだ。


その際に2人が必ず役に立つ。何故なら潜入先がこの地周辺を納めるフォルマル伯爵家で両名はメイドとして勤めており、
自衛隊がイタリカを占領してフォルマル伯爵家を保護下に置くと、その際に自衛隊関係者が入り込んだり色々と接触する機会が増えることが予測されるので、
例えば接触して色仕掛けで懐柔したり、
衣服などに盗聴器を仕掛けたりと色々な工作活動が行えるかもしれないのだ。



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