第一部:ゲート 開けり
我らレジスタンス組織「自由の民」
[5/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
基地の指令室で、
ここの司令官を務めるワーウルフの男と、自由の民の創設メンバーの一人でヴォーリアバニー部族長のテューレが話し込んでいた。2人の前には木製で中型のテーブルが存在し、その上には「黒王軍について」と記載された書類が10枚ほど纏めて置かれていた。
「それで、これが現時点で奴らについて掴めた情報なの?」
「はい、危うく諜報員が5人ほど死傷するリスクがありましたが何とか無事に無傷で手に入れることに成功し、その情報を纏めた代物がこれです。どうやら黒王軍はあの御方達のように、この世界に元から生きていた存在”では全く構成されておりません。
異世界から侵略してきた軍勢かと思われます。おまけに本隊は我々と同じく銃火器や戦車などを使用しており、間違いなくこのままだとこの大陸は奴らの庭と化すでしょうな」
黒王軍について色々な情報が記載された書類には、幾つかの写真が掲載されていた。大半の写真に映っていたのは、帝国の民の死体の山であった。村落らしき場所を背景に首の無い胴体が積み木のように積まれ、キャンプファイアーのように囂々と燃え滾る様子を撮った写真。生き残った人々が奴隷のように薄着の状態で首と足に枷を架せられたまま連行される写真。生きたまま見知らぬ怪物たちの餌となって喰われている一場面など、幾ら亜人であっても目を背けるような光景がカラー写真で撮影され記録されていた。
そして残りの写真には黒王軍を構成する個々のモンスターの死体写真で、他には奴らの支配地域について図で説明された書類が存在する。
死体写真にはオークやウルク=ハイの解剖写真も撮られており、それぞれ解剖を担当した医者のコメントがついている。
それによると、間違いなく奴らはこの世界の生物ではないと報告している。
そして支配地域について描かれた書類には、「帝国」の20%にも当たる領土が実効支配されているのが示されていた。
自由の民の支配地域を加えると、約三分の一が敵対勢力に支配されていることを意味している。同時に赤い矢印でこのままのペースだと、
黒王軍に半年後には国土の5割を支配され、1年半後には全土を支配されるだろうと予測されていた。
「別にこのまま帝国が奴らに占領されてどんな目に遭おうが私たちには本来関係ない。むしろ大歓迎なので是非とも手伝いたいぐらいだ。
だが、流石に数少ない同胞が被害に遭っているとあれば、
奴らへの戦闘を念頭に置いた方が良いかもな。あの宣言の事もあるし」
「そうですね。私を含め、指揮官の者は全員貴女の考えに同意しています。確かに奴らが人間だけを襲うなら別に問題ではないですが、意識して行っているのか分かりませんが人間の奴隷となっていた同胞が犠牲となっています。少なくとも奴らはこの世界に存在する
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ