迦楼羅と思うか、不吉な八咫烏と捉えるか
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「会談は終わったかい」
「ああ、だが一つやることができた。マリナ・イスマイールをアザディスタンに送り届ける」
「それって…」
「ん…、ヨハン貴方はどう思う?」
「そうだな、恐らくマリナ姫…アザディスタンはもうないだろう」
「「なっ!!(そんな)」」
「どういう事だ、ヨハン」
「まず、長い間国のトップが不在であり連邦に与しないアザディスタン。
恐らくは、連邦が直接統治をしようとしている事は明白だな。
だが貴方には見届ける義務がある。それが貴方が国家を運営してきた、これまでの結末であるならば」
「……」
マリナ姫は言葉も出ないようだな。
「ガンダムは使えないわよ、今ヨハンが言っていた場合尚更ね」
「ああ、この機体を使わせてもらうつもりだ」
「この四年間で一体、なにがあったんだいティエリア」
「そうか、アレルヤは知らなかったな」
そして、ティエリアから語られた俺達の事。
俺自身の考え方、そしてCBとの関わり合いでティエリアが成長した事が語られる。
「成程、それじゃあアザディスタンの事も」
「ああ、知っている。だが、その結末を俺達が変えても意味はない。
結局の所、統治能力が低かったという事に他ならないのだからな」
「厳しいんだね」
「立ち向かうべき現実に向かい合う気持ちが無い者は、ただの愚か者だ。
むしろ、俺はマリナ姫に期待している。だからこそだ」
そう、俺は期待している。
確かに彼女には政治能力、謂わば戦時の統治能力はないだろう。
だが、それが一皮向けた時。果たして彼女はどのような『変革』をするのだろうか。
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「このバカ者が!誰がアロウズに報告しろと言った!」
「ですが、それが我々の任務では」
「判断するのは私だ!貴様ではない!」
私は急ぎ、クロスロード君に事を伝える。
「クロスロード君、今すぐここから脱出したまえ」
「ど、どういう事ですか」
「君の存在がアロウズに知られた。奴らは超法規的部隊だ、私の権限で庇いきる事はできん」
「そんな!」
その時、沙慈の脳裏にはヨハンに言われた言葉が脳裏を駆け巡っていた。
【いいか。お前はただ与えてもらう事に甘んじ、何もしようとせず。剰え他人の批判だと?甘ったれるな。
五年前、CBが武力介入をしなければ、世界の問題は取り上げられず国民はそれに向き合う事もしなかっただろう。
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