十四話:海水浴2
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フフ」
「神々に地上の獣をすべて借り尽すと恐れられた狩人オリオンとは俺のことさ。お嬢ちゃんのハートも射貫いてみせるぜ?」
二人は夏の海にはつきもののナンパ野郎である。
ついでに近所で有名な不審者コンビでもある。
そんな変質者二人に対してジャンヌは。
「さて、どうしましょうか……」
「まさかの無かったこと扱い!?」
「流石の拙者も泣くでござるよ! あ、でもこの冷たい対応も中々……デュフ!」
ガン無視を決め込んで歩き去っていく。
「ねえ、ねえ。お金貸すから一緒に遊ばない?」
「仕方がありません。取りに戻りますか」
「あの、すいません。自分の存在に不信を抱きそうなんでせめて視線ぐらいは向けてください」
なおも懲りずにナンパをしようとするオリオン。
しかし、ジャンヌの鋼鉄の意志によりメンタルにダメージを受ける。
『おーい、ジャンヌー』
「あ、ぐだ男君」
そこへ、自身の財布を持ったぐだ男が手を振りながら現れる。
知っている者の登場にホッと胸をなでおろすジャンヌ。
だが、男の登場に二人組は露骨に態度を変える。
「申し訳ない、拙者達という先約がいるのでお引き取りを願いますぞ。デュフフフフ」
「オラオラ、怪我したくねーならさっさとすっこみな!」
黒髭の2m越えの体格を生かしてぐだ男に脅しをかける二人。
因みにオリオンの方は欠片たりとも脅威にはなっていない。
そんな二人に対しぐだ男はどこまでも冷静に対処してみせる。
『あ、ドレイク姐さんだ』
「デュフフフフ……嘘はいけないでござるよ。どこを探しても水着姿のBBAなんて見当たらナッシング」
『いや、ちょうどあそこの陰に隠れてさ。いやー、際どいビキニでダイナマイトボディだったなー』
「デュフ、フフフフ―――急用を思い出した、ここで帰らせてもらうぜ」
ドレイクの水着姿と聞いて真顔に戻り、人生最高の速度で駆け出していく黒髭。
残されたのはぐだ男とジャンヌ、そして置いて行かれたオリオンである。
無言で見つめ合うぐだ男とオリオン。初めに動き始めたのはオリオンの方であった。
「……あー、あいつも帰ったことだし、俺は帰らせてもらうわ。じゃあな」
『オリオン、電話』
「え、俺?」
逃げ出そうとしていたオリオンを捕まえスマホを彼の耳に近づけるぐだ男。
オリオンどうしようもなく嫌な予感を感じながらも律儀に電話に出る。
「もしもーし?」
【ダーリン、今どこ?】
「―――人違いです」
アルテミスの声に一瞬で反応し電話を切るオリオン。
しかし、その行動こそが本人だと言っているようなものだ。
ぐだ男に捕まれた状態でオリオンはガタガタと体を震わせる。
「
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