十四話:海水浴2
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がりますか、このピンクは!!」
だが、次の瞬間には混乱故に口調がおかしくなったジャンヌがアストルフォの頭を叩いていた。
「いったーい。もー、叩かなくてもいいじゃん」
「そうですわよ、ジャンヌ。誰だってペーゼをしたくなる時はありますわ」
「ダメです! そもそも、そういうことは結婚を前提にした相手とやるものです! 後、今のはマリーのペーゼとは絶対に違う何かです!!」
日頃のおしとやかさはどこに行ったのか、一気に捲し立てるジャンヌの姿に目が点になる一同。
しかし、それでもアストルフォは懲りることなく爆弾発言を繰り出す。
「もしかして―――ぐだ男とキスしたいの?」
一瞬相手が何を言っているのか分からなくなり無表情になるジャンヌ。
だが、次の瞬間にはアストルフォの言葉を理解しトマトのように顔を真っ赤にする。
「だ、誰がそんなことを言ったんですか!? 私は別にぐだ男君とは……」
『そうか…うん、そうだよね』
「あ、いえ。決してぐだ男君が嫌いというわけではなくてですね! な、何と言えば……」
アストルフォの言葉を否定するジャンヌの姿に若干落ち込むぐだ男。
それに対して慌てて誤解を生まないように努めるジャンヌだったが、徐々に何を言えばいいのか分からなくなり黙り込んでいってしまう。
「そ、そうです。みなさん喉が渇きましたよね? ですね! 飲み物を買ってきますね、では!」
そんなジャンヌが取った行動は一旦退却し体勢を立て直すことであった。
呼び止める間もなく一目散に海の家まで駆けだしていくジャンヌの後ろ姿に一同は呆然としながら呟くのだった。
『財布忘れてる』
一人で裸足では熱く感じる砂浜の上を歩きながらジャンヌは息を整える。
つい、勢いで逃げてきてしまったので後で彼にはしっかりと謝罪をしなければいけないだろう。
それにしても何故自分は逃げてしまったのだろうか。
さらに言えば、自分は彼のことをどう思っているのか。
彼女の頭の中では答えのない問いが繰り返され続ける。
「……あ、財布を忘れていました」
ふと、今更ながらに自身の失態に気づき声を零す。
当然取りに戻らねばならないが雰囲気的に戻りづらい。
「どうしましょうか……」
「デュフフフ。お困りのようでござるなぁ」
「へいへい、可愛いお嬢さん。良ければ俺達が力になりましょうか?」
明らかに不審な声をかけられて警戒しながら顔を上げるジャンヌ。
目の前にいたのは黒い髭が特徴的な巨漢。
そして、彼の肩に乗ったクマのぬいぐるみ、のようななまもの。
「拙者はエドワード・ティーチ、通りすがりの海賊でござる。あ、因みに今は絶賛フリーでござるよ、デュフ
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