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ヨハンだがこんな状況を覆す
美人は世の宝、しかし甘やかす事なかれ
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 多くの人々が行きかう町、その一角にある個室付きバーで二人は再開した。

 「それで、クジョウさんお話しとは?」

 「それは、勿論…」

 「えぇ、大きな問題もなく元気ですよ」

直接的な言い方は避け、暗喩の様な形で会話をする。

 「そう、それで三人だけど何か言ってた?」

 「今は戻る気はないそうです。まぁ折を見て…ですかね。
 それで、クジョウさん。それだけではないでしょう?」

そう、本来仲間の事を聞くのであれば通信で事足りる。
しかし、そうしないという事は本題は別にあると云う事。

 「やっぱりわかるのね…今の世界をどう思う?」

 「途中段階…といった具合ですね」

 「途中段階……」

 「えぇ、何事も直には治らないという事です。
 その問題が大きければ大きい程に…。」

 「私がやってきた事って結局、逃避だったのかしらね…。
 世の中を変えようと思って活動したことも。結局、今を見るとそう思えてならないの…」

彼女はきっと怖いのだろう。自分の過去にあった事を払拭するために戦った。だがその結果が伴わないかもしれない事に…

 「戦争根絶…端的に言えば不可能ですね」

 「どうして!!」

 「人類の歴史というのは平和と戦争の繰り返しです。規模の違いはあれど、です。
 人間というのは平和の中にいると、その価値と意味を見失います。だから何度も戦争が起きるのです。
 それに世界が一つになる。これも表面上はそうかもしれませんが、持つ力も違う国々が一つになった所で派閥が生まれ
 また争いが生まれるだけです。大事なのは過去の事例から学び、どう進むべきか。
 貴方の過去はわかりませんが、少なくとも問題から目を背け、逃げるなど許されない。
 戦を始めた物には責任というものがある。それがどんな形であれ受け止めなければならない…と思いますよ」

そう、ビアンもこういった問題には向き合った。
だからこそ言わねばならない、降りる事は許されず。前までの考えが甘かったという現実を。

 「強いのね…ヨハン君は……」

 「必要なだけです。命を背負うという事に妥協は許されませんから」




 離れた位置、そこで会話を聞いていた二人。ニールとエイミーは対象的な表情をしていた。

エイミーは幼い頃、助けてもらい。ビアン達の背中を見続けてきた…そんな彼女からすれば当然といった事だろう。
彼女は目に淡い炎を宿していたが、ニールは違う。

彼は頭を殴られたような気持ちだった。
世界を変える。その事を思って行動してきたが、具体的な事柄や生まれる弊害は考えてもいなかったからだ。
 (くそっ!確かにそうだ。問題を先延ばしにしても、また俺と同じ様な奴が産まれるだ
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