第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#15
DARK BLUE MOONZ 〜Heaven's Door〜
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の姿。
大きく、広く、そして寂しい背中。
感謝など、求めない。
何の利害も打算も、存在しない。
ただ、当たり前のコトのように、他者の為に平気で己の身を危険に晒す。
無尽の荊にまみれた 『苦難の道』 を歩み続ける。
ソレが余計に、少女の心を締めつけるとは知らず。
(ごめん、ね……何も、出来なくて……)
潤んだ瞳と共に紡ぎ出された、少女の言葉。
ソレが伝わったのか否か、周囲の空間全域に響き渡るスター・プラチナの咆吼。
「オッッッッッッッッッラアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ
ァァァァァァァァァ―――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!」
ただ護るだけではない、白金の防御膜を構成すると同時に
スタンドの両腕にパワーを集束させていた承太郎は、
そのリミットの針が限界点に触れた瞬間、
押し固めていた腕部を音速で振り解き発生した衝撃波と共に溜め込んだ
スタンドパワーを解放し、屋上全域に渦巻く群青の狂濤をスベテ吹き飛ばした。
ヴァオンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
空間を拉ぐような衝撃音と共に、高速発生した莫大な量の気流が
周囲ビル群の強化ガラスを亀裂と共にビリビリと揺らしたのは 『その後』
「炎」 と 「風」 という “属性” の「相性」を利用したとはいえ、
ともあれ承太郎とスタープラチナは現代最強のフレイムヘイズが放った
凄絶焔儀を完全に撃ち破った。
降り注ぐ余波の為、屋上の至る処で延焼する群青の残り火。
十字受けの構えのまま屹立するスタープラチナと、
その全身から焼煙を上げ佇む承太郎。
限界を超えるスタンドパワーを、精神の力で無理矢理引き絞った為か
その口唇からは荒い吐息が断続的に漏れている。
(逃がした、か……)
誰もいない開けた視界。
そして。
(無事……か……)
背後のソレを認識した刹那、突如承太郎の膝の力が抜ける。
傍に立つスタープラチナも、ソレと同時に掻き消えた。
「う……ぉ……」
自分でも意外だったのか少し驚いた表情でコンクリートの上に片膝をついた
無頼の貴公子は、その後興味なさげに自分の制服を抓む。
「やれやれ、しこたまブチ込んでくれやがって。大事な制服が焼け焦げちまったぜ……」
そう言って学ランの内側から煙草のパッケージを取りだし、
一本引き抜いて口に銜えようとするが、痙攣する指先では叶わず地面に落ちる。
それを面倒そうに拾って銜え直すと、
近くで燃えていた炎に先端を翳して火を点け細く紫煙を吹き出しながら、
そこで初めて彼は少女の方へと向き直った。
自分以上にズタボロの、惨憺足る有様で両膝をついている少女に
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