第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#15
DARK BLUE MOONZ 〜Heaven's Door〜
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ド》を展開するコトも
数十秒であるならば可能なのだ。
「……ッ!」
しかし、たった今その 『能力』 を繰り出した空条 承太郎に、
別段深い思慮が在ったわけではない。
咄嗟の事態だった為半ば無意識、或いはスタンド自身が勝手に動いたように感じた。
護るべき者を護るという彼の精神が、生命の深奥、
その更に奥底の原初的な部分を強撃したのだ。
「むっ……うぅぅ……ッッ!!」
己が操るスタンドと共に、口中をきつく喰い縛りながら
眼前の流式と対峙する承太郎。
特に想っていたコトは、何もなかった。
ただなんとなく、“いるんじゃないか” と想った。
そして、やっぱりいた。
予想通り、大窮地に陥って。
「ぐ……ッ!オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ
ォォォォォォォォォ―――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!」
今を以て執拗に、己と少女を呑みこもうとする炎の圧力に屈しない為、
彼はスタンドと共に喚声を上げる。
幾らスタンドパワーを全開にして周囲に展開させているとはいえ、
その威力を全て無効化出来るわけではない。
己の存在をジリジリと焦がすように迫る炎の熱は確実に
フィールドを侵蝕し、スタープラチナの両腕を炙り始めている。
同時に自分の両腕からも立ち上る、皮膚と肉の灼ける匂い。
感じる炎傷とは裏腹に青褪めていく表情。
気を抜けば最前線で炎を防ぐスタープラチナのガードが一瞬の内に弾き飛ばされ、
そのまま蒼い狂濤に呑み込まれてしまいそうだ。
だが、退くことは出来ない。
否、退きはしない。
自分の後ろには。
“少女” がいるッ!
「……」
その青年の背後で、放心するように佇んでいたシャナの躰を支える力が抜け、
剥き出しの両膝がコンクリートの上につく。
先刻まで心中で何よりも烈しく燃え盛っていた戦意は存在すらしなかったように
沈静し、代わりにきつく胸を締め付けるような感情が己の裡を充たしていった。
嬉しさ、悔しさ、切なさ、哀しさ、愛しさ。
そのスベテが感情の奔流となって少女の全身を駆け巡る。
(頼りたく……なかった……だから電話にも……出なかった……
何かがあればきっと……助けてくれるから……
いつでも……どんなときでも……必ず傍に来てくれるから……)
でもそれじゃ、何も変わらない。
他の人間と何も、変わりはしない。
ソレとは違う眼で、自分を見て欲しかった。
でもソレ以上に、もう自分の為に傷ついて欲しくなかった。
(おまえが傷つくと……辛いの……おまえが血を流すと……苦しいの……
自分が……殴られたり蹴られたりするよりずっと……ずっと……!)
そう言って見上げる、彼
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