第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#15
DARK BLUE MOONZ 〜Heaven's Door〜
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コトは全部 “アイツのせい” にして、
自分の本当の気持ちを、誤魔化し続ける。もう、そんなのは、イヤ……)
そっと、心中で呟いた言葉。
そしてその後、伏せていた顔を少女は決然とあげる。
ソレと同時に、その真紅の双眸で燃え盛る、黄金の光。
心中で湧き上がる精神の咆吼。
(だから! もう負けられないッ! 負けたくない!!
目の前のこの女にじゃないッ! 『自分自身にッッ!!』 )
渾心の叫びと同時に、シャナは再び目の前の強大な存在へと挑み懸かる。
そして、決意の言葉を口にする。
「もう何をどうしたって!! 絶対私は負けるわけにはいかないのよッッ!!」
眼前の驚愕にグラスの奥を丸くする美女、
しかしその姿は今、少女の瞳には映っていない。
(胸を張って……逢いにいかなきゃ……アイツの処に……)
そして、聞いてもらおう。
ごめんなさいって。ありがとうって。
喩えそれがどんな結果に結びついたとしても、今度は逃げずに全部受け止めよう。
自分の本当の気持ちを、誤魔化さずに、偽らずに。
「フッ……! フフ……フ……!
まさか、まだ本当に 『戦える』 とは、ね。
殺しこそしなかったけど、一ヶ月は指一本動かせない位のダメージは与えた筈なのに」
慮外の事態とは裏腹に、美女は感奮に熱を浮かされたような表情を浮かべる。
ルージュに彩られた微笑も、先刻までの余裕に充ち充ちたモノとは違っていた。
「前言を、撤回するわ。アンタ、素晴らしい、最高よ。
このまま後100年、いいえ、50年もすれば、
歴代屈指のフレイムヘイズに成るコトは間違いないわ」
最早凄惨な復讐者として気配は消え
一人の正統なフレイムヘイズとして、
マージョリーはシャナに向き直る。
磨けば至宝の光を放つ、
極上の原石をみつけたような瞳を爛と煌めかせて。
今はまだ想像だにし得ないが、近い将来自分とコイツが「組め」ば、
この世に蔓延る紅世の徒を絶滅させるコトも可能だという心算に躰を震わせて。
「だから、とことんまでつき合ってあげたいけど、でも悪いわね?
「先約」 が有るからもう行かないと。
あまり男を待たせ過ぎるのも、良い女のするコトじゃないから」
そう言ってマージョリーは背後へ大きく跳躍する。
「!」
反射的にシャナは追おうとするが、心とは裏腹に膝の力が抜け大きく体勢を崩す。
高い鉄柵の最上部、不安定な足場に端然と屹立した美女は、
ソコから蒼い紋章を浮かべる封絶を背景に、揺るぎない視線で少女を見据えた。
そして、厳かな微笑と共に口を開く。
「名前、まだ聞いてなかったわね? 教えてくれる?」
(ッ!)
想わぬ問いかけに少女は一瞬息を呑むがすぐに、
「空条、シャナッッ!!」
己が存在を刻み
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