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恋姫無双〜2人の御使い〜
第5話
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分からないよ。ただ、彼女を手に入れたいって気持ちはあるから……)

 女性の邪魔にならない様に小声で話す2人。



 女性の考える時間が長くなっており、2人とも『これは駄目かもわからんね』と思い始めていた時。

 「すいません」

 という声が聞こえ『駄目だったか……』と2人が同時に思う。

 「そうか……」

 と暢介が呟くと。

 「いえ、私じゃないですよ」

 と女性が首を横に振りながら言う。

 「声、外の方からだね」

 そう言って久遠は席を立つと扉を開け、廊下に顔を出す。
 すると……

 「あっ、あなたは」

 という久遠の驚く声。
 そして。

 「おっ、そちらにおられたのですか。お連れの方もそちらに?」

 「は、はぃ」

 聞き覚えのある声、長老格の老人の声である。

 二三言葉を交わし、老人が女性の部屋に入ってくる。
 久遠は老人を部屋に通した後、暢介の隣に戻り席に着いた。

 老人も女性にすすめられ席に座る。

 「僕達の方の部屋の前に立っていましたけど、僕達に用だったんですか?」

 「ええ。一つ頼みたい事がありましてな」

 「頼みたい事?」

 暢介と久遠は頭に ? を浮かべながら顔を見合わせる。

 (頼みたい事って何だろ?)

 (さぁ? でも、頼まれて断るのも何だし、話を聞いてから……)

 目と目の会話で結論を出し頷く2人。

 「えっと、内容次第ですが一体何を頼むおつもりで?」

 「頼み事と言うのはですな……逃げ出した領主に代わり、ここを治めてもらいたいという事で」

 「あぁ治めるね……へ?」

 老人からの申し出に暢介と久遠の目が点になる。
 まるで予想していなかったといった所だ。

 「なんで僕達にそれを?」

 「あなた方は義勇軍ですが、今は本拠となる場所がなく彷徨っている状況でございましょう。ならばここを本拠にし活動を行う方が良いかと思いましてな」

 老人の言葉に久遠は俯く。
 そして、そのままの状態で口を開く。

 「……本音は何ですか?」

 「賊を倒したとはいえ、まだまだ賊はおります。守って頂きたいのが本音でしょうか」

 「なるほど、それでこの地を本拠として申し出てるんですね」

 「ええ。いかがでしょうか?」

 「ちょっと待って下さい……相談させていただけませんか」

 暢介の言葉に老人は頷く。



 「どうする久遠」

 「悪い話じゃないんだよ……ここを治めるって事はね……」

 「……でもさ、ここって本来の領主がいるんだよね……その人が戻ってきたら揉めるんじゃ」

 「賊を恐れて逃げたのが戻ってくるとは思わ
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