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スリラ、スリラ、スリラ
抗う(あらがう)
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ら迫る。
「…部長。お勤めご苦労様です」
「…上司に向かってご苦労様は駄目だよ。まぁ私だから良いけれどね」
振り返った先の部長は、手に何かを持っている。廊下から微かに洩れる光が、其の手の中の何かに反射して鋭い光を射た。
「…お話が有って来たんです」
「うん?私も君に話が有って来たんだ、…恐らく君が私に話そうとしている事の件でね」
見えている笑顔が、声の調子が、何時もの暢気な部長ではない。何処かに怒気を孕んだ、黒い笑みだ。此れは、カイナの知っている部長ではない。…否、カイナの知っている部長は、本当の部長ではないのだ。
「…何となく、そんな気はしていたんだ。此の件に勘付いて阻害して来るとしたら、橘さんだろうとね。…此の予感は当たらないで欲しかったんだがなぁ」
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