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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#14
DARK BLUE MOONY 〜Bake The Dust〜
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はソレよりも速く破壊力は比較にならない程強い。
 しかし少女がその事実を認識する間もなく、攻撃を潜り抜けた先、
既に5体の炎獣(トーガ)がその巨腕を振りあげ、
それぞれ違う方向から爪撃を繰り出していた。
(前のは囮!? “統率” が執れてるッ!)
「だぁッッ!!」
 想うのと駆け声をあげたのはほぼ同時。
 足下を踏み割り上空へと飛んだ少女の足跡に群青の爪撃が殺到し、
階下に突き抜ける程の陥没痕を開ける。
 間一髪空中へと逃れた少女だったが、ソコでも一呼吸する程の暇すら与えられない。
 先刻己の放った斬撃を吸収した一匹が、頬まで裂けた口を開き逸らした(おとがい)
をこちらに向けていた。
「ヴァハァァァァ――――――――――――ッッッッ!!!!」
 危局に口元を軋らせた少女に襲いかかる、群青の激浪。
 羽根の生えた鳥でもない限り、一度飛び上がった物体は重力の魔に縛られ
そのままの軌道で落ちるしかない。つまり少女はこの激浪を避けられない。
 だが、意外。
 窮地に於ける一瞬の閃きか、少女は己の愛刀を背面に据えるとその腹を足場に、
集めた炎気を(しのぎ) 部分で爆散させた。
 慣性の法則を無視し、直線軌道を斜角軌道へと強引に切り換えたシャナは
そのまま獲物を狩る鷹のように高速で急降下する。
「でやああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ――――――――!!!!!!!」
 そしてその勢いを一切殺さず、背面の膂力も合わせ後方で己を見る
トーガを一閃の元に斬り捨てる。
 裂空刹刃。天翔の閃舞。
『贄殿遮那・炎牙ノ太刀・犀咬(サイク)
遣い手−空条 シャナ
破壊力−A スピード−A+ 射程距離−B(最大半径25メートル)
持続力−E 精密動作性−A 成長性−B




 片膝立ち大刀を袈裟に振り抜いた体勢で着地した少女の背後で、
斜めに両断された炎獣(トーガ)の上半身が滑り落ち
その巨大な体躯が跡形もなく霧散する。
 触れたスベテの自在法を無に還す、
紅世の宝具 “贄殿遮那” の特殊能力。
その効果範囲は剣撃の威力に比例して増大する。
 退路を断たれた危難が、偶発的に生み出した新手。
 自身も想いもよらぬ速度で疾走(はし)った一閃に少女は身を震わせる。
「ふぅん。なかなか……」
「ヤるもんだな。小娘にしちゃあよ」
 トーガを一体消滅させられたが、
まるで余裕崩さないマージョリーとマルコシアスが
遠間で傍観者のように語る。
 そして次の刹那。
(……ッ!)
 少女の背後で既に逃げ場のない包囲網を組んでいた11体のトーガが、
余す事なく大挙して雪崩(なだ)れかかった。
(数が……多過ぎる……ッ!)
 足裏を爆散させ側面に廻り込もうとはしたが、
もうその|暇《いと
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