第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#14
DARK BLUE MOONY 〜Bake The Dust〜
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高層ビルを砂の城の如く擂り砕き、
振り廻せば枯葉の如く粉微塵にしてしまうで在ろうコトを否応なく
視る者に感じさせるその脅 嚇。
「――ッッ!!」
フレイムヘイズとしての、焔儀の遣い手としての絶対的戦力差を魅せつけられ、
絶句する以外術をなくす少女の前でマージョリーは静かに口を開く。
「“ゾディアック” の神髄、その真の意味とは、
『王の存在をこの現世に完全顕現させるコト』
アンタの遣っているような低級焔儀は、
その過程に於いて派生した “副産物” に過ぎない」
両腕を頭上で組んだまま、まるで諭すような口調で美女は言葉を続ける。
「今はまだ、マルコの前脚を一本現世に召喚するのが精一杯だけど、
いずれはその “全身” を完全に顕現させてみせるわ」
「おぉ〜おぉ〜、頼んだぜぇ〜。
我が最強の “フレイムヘイズ” マージョリー・ドー。
一日も速くこのオレサマのカッコイイ躯体を現して
大暴れさせてくれよなぁ〜」
破滅の戦風と共に、蒼蓮の火走りが空間に迸る。
(むう……蹂躙、己がフレイムヘイズを此処まで鍛え上げたか……!)
まるで蛇に睨まれた蛙ように、微動だに出来ない少女の胸元で
アラストールが戦慄と共に呻く。
もうこの時点で既に勝敗は決したと言って良いほど、
マージョリーの発動させた超焔儀はその絶対的大要を揺るがすコトはない。
少女は既に、美女がこれから刳り出す “流式” の
その死の射程圏内に位置し、現状の如何なる術を用いようが
防ぐコトも躱すコトも不可能な状態へと陥っている。
意図せずに口の中がカチカチと鳴り、冷たい雫で濡れた首筋がチリチリと疼いた。
頼みの綱である贄殿遮那も、今は自分から遙か遠い位置に突き刺さっている。
(何も……出来ない……? 何も……出来ない……ッ!)
かつて、最も忌むべきアノ男の、その真の能力と対峙した時と同じように。
「……」
少女の口唇が、意図せずに動いた。
「さぁ〜て、一応 “同属” だから手加減してあげるけど、
もし殺しちゃったらごめんなさいね? この焔儀制御が難しくて、
全力以外じゃ遣ったコトないから」
そう言って蒼き焔で彩られた指先を、
四足獣が爪を立てるように折り曲げた美女の背後で、
数十倍のスケールを誇る魔狼の脚もソレに連動するように蠢く。
現世に顕現した魔狼の爪。
しかしその絶対的威力は、最早爪に留まらずソレを超えた牙!
そして、美女が空間を斬り裂くように右腕を繰り出すと同時に響き渡る流式名。
闇蒼刻滅。魔狼の爪痕。
“蹂躙” の流式
【冥 拷 禁 曝 蹂 躙 牙ッッッッッ!!!!!】
流式者
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