暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#14
DARK BLUE MOONY 〜Bake The Dust〜
[13/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
叩き付けられるが、
追撃の可能性に際して躰が勝手に反応し震える足下のまま少女は背後に向き直った。
「馬鹿正直に、真正面からの “ゾディアック” の撃ち合いなんかに応じると想ったの?
ただの消耗戦にしかならないのに。見た目の通り、本当にお子さまね? アンタ」
 先刻、自分が言い放ったコトをあっさりと反故(ほご)にし、
悪びれる様子もなくそう告げるマージョリー。
 圧倒的な能力(チカラ)を持ちつつも尚、勝つ為なら何でもするという狡猾さ。
 一見えげつなく想えるが、一切の綺麗事が通用しない戦場に於いては寧ろ当然の仕儀。
 精神的な少女の不調を差し引いても、戦士としての機転に於いて
マージョリーはシャナを上回っていた。 
「でも、少しだけ誉めてあげるわ。
完全に躱したと想ったけど、余波に掠っただけでこの威力とはね。
遊んだこっちも悪いんだけど」
 美女はそう言って、微かに焼け焦げ白い煙を(くずぶ) らせる手の甲をみせつけるように(かざ)す。
姿(ナリ)はチビジャリでも、流石は “天壌の劫火” のフレイムヘイズと
言った処かしら? でも、まだまだね。
アノ程度じゃ、“フレイムヘイズの焔儀に成ってないわ”」
 そう言った美女が指先を弾くと、遠間で浮いていたグリモアが滑るように
移動し頭上で停止する。
 そして、微笑と共に告げられる、ゾッとする程妖艶(あま)やかな声。
「アンタに、教えてあげるわ…… “ゾディアック” の……
その真の能力(チカラ)をね……」
 言葉の終わりと同時に美女は、その両腕を高々と掲げ頭上で交差し
己を司る焔儀領域の深名を口にする。
「“蒼 蓮 拾 参 式 戒 滅 焔 儀(ダーク・フェルメール・ブレイズ)……” 」
「ヒャーーーーーーーーーーッハッハッハッハァァァァァ!!!!!!」
 艶やかなマニキュアで彩られた指先の印の上で
神器 “グリモア” の表紙が開き、中のページがマルコシアスの狂声と共に
嵐の中ではためくように暴れる。
 やがて、規定のページでピタリと停止した 『本』 の紙面が
強烈な群青の光を放ち、それと同時に凄まじい存在感を轟かせるモノが
美女の背後に出現した。




   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!



 空間に展開した、闇蒼の紋章と紋字を鏤める特殊自在式法陣。
 その裡から、異次元空間より現世へ這い擦り出すかのように姿を見せた存在。
 ソレは、焔に因って形創られた、一本の巨大なる腕、否、 “脚” 
 鋼鉄の如き骨格と装甲に等しき肉塊を刃のような群青の毛革で覆われ、
その先に破滅の爪牙を鳴轟する魔狼の前脚。
 掌握すれば周囲の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ