第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#14
DARK BLUE MOONY 〜Bake The Dust〜
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」 し
焔儀発動までの時間を大幅に短縮するコトを可能としていた。
(“連発” だッ! 自在法を吸収するなら 『そう出来ない位』
連続で射出し続ければ良い……!
3回、4回、ううん、手が千切れるまで撃ち続けるッッ!!)
そう思い切り決意の炎が燃え上がる灼眼を、美女は興味深そうに見据える。
「“ゾディアック” の力較べ、ね。子供っぽいけど面白そうだわ。
折角だから乗ってあげましょうか?
試してみたい “業” も在るし、ね」
そう言ってマージョリーが指先を弾くと同時に、
少女の前に傲然と立ちはだかっていた炎獣の壁が一瞬で消え去り、
元の存在の力へと戻った群青の炎が蒼き螺旋を渦巻いて美女の躰へと還っていく。
(炎獣を消した!? でも、逆に好 機ッ!)
油断なのか傲りなのか、理由はどうでも良い。
コレで勝負は総力戦ではなく、極めるか極められるかの瞬発戦になった。
ならば既に焔儀を完成させかけている自分が有利。
如何に練達した自在師だとはいえ、
“アノ男” のように 「不死身」 というわけではない。
炎への耐久力はどのフレイムヘイズも一律で在る以上、
コレが極まればソレで全てが終わる。
『そうすれば』
「“紅 蓮 珀 式 封 滅 焔 儀” ……!」
己が存在を司る、究極自在法大系内の一領域の深名が、
目睫で両腕を交差した少女の口唇をついて出る。
指先に神妙な印を結び、交差した腕の隙間から
標的であるフレイムヘイズを鋭く射抜く少女。
だが、意外。
その視線の先の美女も、合わせ鏡のように自分と同じ形態を執った。
(同じ構え……!? フザけてるの……!?)
一瞬の逡巡。
その随 に、美女は構えを崩さぬまま足下をヒールの先端で踏み割って
カメラのズームアップのように強襲する。
(迫撃型焔儀……!?)
刹那の間に思考するがソレよりも勢いが勝り、
「レイジング・クロス!!」
己が流式名を刻みつけるように、少女は印と共に重ね合わせた両掌を深紅の球に繰り出す。
しかし術式発動の自在式が球内に叩き込まれる瞬間に、
眼前の 「標的」 が突如姿を消した。
(!?)
目標を失った灼熱の高 十 字 架は、
そのまま空を滑走し鉄柵を蒸発させて突き破り封絶の彼方へと消え去るのみ。
直後に背面から馨る、魔性の美香に気づいた時はもう遅かった。
「――ッッ!!」
背中合わせの状態から左拳に右掌を添え穿つように放たれた肘打ちが脊椎を直撃し、
下腹部が弛緩するような衝撃と共に少女は前方へ飛ばされる。
そのまま冷たいコンクリートの上に受け身も取れず
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