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夜空の武偵
Ammo10。また、な……
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憲章1条。仲間を信じ、仲間を助けよ。
仲間を信用することの大切さ、仲間を助けることの難しさ。
武偵憲章3条。強くあれ。但し、その前に正しくあれ。
強くなければ大切な仲間を護れない。だけど、強さの前に、正しい義の心を持っていなければ、その強さは絶対に通してはいけないこと、を。
武偵憲章10条。諦めるな。武偵は決して、諦めるな。
諦めたら全て終わりだ、と。諦めないことも強さの一つなのだ、ということを。
心の強さ。心技一体。それが真の強さなのだと。
武偵憲章9条。世界に雄飛せよ。人種、国籍の別なく共闘すべし。
井の中の蛙大海を知らず……世界を知り、己を知ることで、人はさらに強くなれるのだ、と。
この国で、この戦いで教わった。

だから……と俺は思う。

いつかまた、いつか……必ず。
もう一度この国に来よう、と。
一人前の武偵として。この国に再び来ようと。
いつか……必ず。




「……サヨウナラ、スバル」

「また、ね? すばるん!」

「ああ……また、な」

アリスと理子に別れをすませて、俺は旅立つ。
俺が帰る場所。
生まれた国。
日本……へと。

「スバル……ありがとう。ありがとう。ワタシ、アイニイクカラ。必ズ。アイニイクカラーーー!」

背を向けて歩き始めた俺にアリスが告げる。

「くふふふ。理子とはすぐに会えるから心配いらないのだ☆」

理子は理子で不気味な笑いを浮かべる。
振り返り、そんな二人の頭を優しく撫でてからぽんぽんと、軽く叩いて別れをすませると俺は出国ゲートに向かう。
そして、発着時間が来て成田行きの便に搭乗した。飛び立った飛行機の窓から、ルーマニアの大地を見渡して思う。

__また、な。また……会おうぜ、ヒルダ。


「ん? ……気のせいか」

一瞬、窓の外が青白く光ったような気がしたが、雷雲もない晴天の空だ。
だから……気のせい。
そう、思って俺は空からルーマニアを見下ろす。

そんな俺を機内後方の座席に座り、ワイングラスを傾けながら見つめてきていた__ヤツの視線に気がつかず、に。

「フィー・ブッコロス?」

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