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夜空の武偵
Ammo08。『最強』の壁
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左肩を撃ち抜かれたせいか、感覚が麻痺してきた俺の左手は……ガンダールヴのルーンは弱々しい光を放っている。だが俺は痛む体を引きずりながらシャーロック相手に向かっていった。
左手に持つ木刀をシャーロックの脳天目掛けて振り下ろす。

「やれやれ……そうくることは『推理』できていたよ……?」

バチィ、っとシャーロックは右手と左手の掌を合わせるようにして、刃物を受け止める達人技……真剣白羽取り(キャッチング・ビーク)
のちにひ孫であるアリアが金次(パートナー)に教える素手で刃を防ぐ技を当たり前にできるかのように平然とおこなった。
流石はシャーロック。
チートの塊のような男だ。

「ちっ……やはり無駄かぁ」

俺は痛みに堪えながら一撃を入れようとしたが、世界最高の頭脳を持つこの男には通じなかった。
だが、何も俺が使う武器は木刀だけじゃないんだぜ?
俺は続けて反対の腰に差していた、日本刀を抜き放つ。
鞘から超高速で抜刀する居合い技『流星群(メテオ・ドライブ)』!
それを使い、シャーロックに斬りかかる!
しかし、『世界最高の頭脳』に、その動きは読まれていた。
バシッ!
さっきと同じように、素手でいとも容易く掴み取られた。
それも今度は片手(・・)で。

「……真剣白刃取りの片手版かぁ。このチートめっ! 少しは手加減しやがれ!」

「いきなり斬りかかってきた相手に手加減は必要ないと思うがね」

「ケッ、平然と防ぐチートが何言ってんだ?」

呆れる俺を見てシャーロックは微笑む。
まるで、ヤンチャな子供を見守るかのように。

「……何故、本気を出さない」

シャーロックはそんなことを呟く。
ああ、全てお見通しかよ。

「手の打ちを晒すはずないだろ、特にあんたみたいな危険人物の前で」

「ふむ。なるほど……今の返答で推理できたよ。どうやら、ドーピングは終わったようだね」

ん? シャーロックなら、雷神モードが切れるのも推理できたはずだよな?

「不思議そうな顔をしてるね。おそらく、君はこう思ったはずだ。何故、自分のドーピングが切れるのを僕が見抜けなかったのか、とね……答えは簡単だよ。
いつ切れるのかは推理し難いのだよ。君のその技は」

「あんたにも推理できないものがあるんだな」

「その問いには半分だけ正確と返すよ。僕にも推理し難いことはあるからね。君も含めて君の祖父や父親のようなバグキャラの行動は正確に読むのは非常に困難なのだよ。物理法則を無視した動きをする君の一族のことを推理するのは非常に困難なのだから。だけど、困難なだけで推理できないわけではない」

「だから、君が木刀を振るうのは推理できていたよ」などと笑いながら告げるシャーロック。
そうかよ。なら……こ
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