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夜空の武偵
Ammo06。囚われの少女
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ったら……そん時は。

「その自信はどっから来るんだよ……まあ、いいけどさ。それじゃ、今回の件が終わったらまた人間(辞めた人間(キンジ))と戦えよ。そして、白黒付けろ!」

逸般人なキンジに丸投げだ!

「言われなくてもそのつもりよ」

赤い目で俺を睨むヒルダ。そんなに睨まれたらゾクゾク……しないけどさ。俺、N(ノーマル)だし。
高圧電流流されても『痛い』っていう感覚はなかったけど。むしろ、筋肉がほどよく解かれて気持ちいい……もっと、もっと流してー、って感じ……いや、止めよう。それ以上考えるな。感じろ!
解りやすく例えるならマッサージ……そう。電気マッサージを受けた感覚だ。そう思うこと自体は別におかしいことじゃないはずだ。俺は決してアブノーマルじゃない! ただ電流を筋肉で受け入れただけだ!
と、こんな馬鹿なこと考えていたが、そんなことよりも重大なことがあったと、ハッ! と我に返る。
高圧電流で思い出したけど。さっき受けたヒルダの電撃はまだ身体の中に残ってる。
高圧電流で身体強化する技『雷神』。
その技は電流を体内に帯電させることも出来るから、数十分間は身体強化される状態になっている。
そしてそれは今も続いていて、体感的にあと……10分は余裕でいけるな。
よし、あと10分以内に行方不明のアリスの姉を見つけてやる!
それさえ出来れば依頼達成で吸血鬼の居城(この場所)からオサラバできるからな!
ブラド?
それはらんらんと綴、父さん達大人に任せる。
『武偵憲章1条。仲間を信じ、仲間を助けよ』。
その教訓をもとに。
らんらんと綴、父さん達大人を信じて(・・・)俺は俺の依頼を達成することにする。
決して吸血鬼と戦うのが面倒だから、とか。悪目立ちしたくない、とか。そんな理由じゃない。理由じゃないったら理由じゃない!
もともと吸血鬼と戦うのは乗り気じゃなかったし、今はこの城の隅から隅まで知り尽くした優秀な案内役(ヒルダ)もいることだし。それに俺の役目は陽動。戦場を引っかき回し、混乱させること。その役目は終わった。ここからは効率的に動いた方がいいんだ。
俺は任務を遂行してるだけ。そう、これは効率的に動いているに過ぎないのだから。
うん、そうだとも。
俺はあくまで、『受けた依頼をこなす、ただの武偵見習い』に過ぎないんだから。
だから俺はヒルダに優しく(・・・)お願いした。

「ねえ、ヒルダ。この城に閉じ込めてる少女がいるなら、そこに連れて行って欲しいなぁ?」

純化銀弾(ホーリー)が詰まったマガジンを再装填したDE(デザートイーグル)を眉間に突きつけて。
これは決して脅しじゃない、喧嘩早い蘭豹達と比べたら断絶優しいお願いの仕方だ。
さあ、ヒルダ。道案内よろしくね?



そうして。

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