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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百五十五話 ヴァレンシュタイン艦隊の憂鬱
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司令部 エーリッヒ・ヴァレンシュタイン


十一月になった。原作ではフリードリヒ四世は十月に死んでいた。こちらでは死んでいない。世の中の流れだけではなく人の人生も変わっているようだ。

明日か明後日にはブラウンシュバイク公が領地に着くだろう。リッテンハイム侯も後十日と経たずに領地に着くはずだ。二人がオーディンから去った事で多くの貴族がそれに続いた。領地に戻り兵を挙げる準備をするのだろう。

オーディンに残っている連中も自分で行なわないだけで兵を挙げる準備は着々としているようだ。シュタインホフが言っていたから間違いない。

ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯が暴発から逃げられるかどうかはこの十一月で決まる。貴族達が反乱の準備を終える前に、彼らがブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯の動きに不審を抱く前に領地替えの準備が出来るか否かだ

なかなか厳しい状況だろう。貴族達にとって借金の返済がじりじりと迫っている。彼らはかなり焦っているはずだ、ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯の準備が遅れるようだと兵を率いて押しかけてくるだろう。そうなってからでは遅い。そうなる前に逃げられるかどうか……。

二人が暴発に巻き込まれた場合は、反乱軍が集結した段階でエリザベート、サビーネの皇族への復帰を宣言する。そうすれば貴族達はブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯を疑うだろう。何処かでこちらと通じているのではないかと。負けが込めばあっという間に崩れるはずだ。嫌な手だが有効だ、躊躇わずにやるしかない。そのほうが内乱は早く終決する。

負けるとは思わない、問題は勝ち方だろう。今回の内戦は原作のような権力闘争じゃない、帝国の行く末を決める階級闘争だ。間違っても平民達の信頼を失うような事を、ヴェスターラントの虐殺のような事件を起してはいけない。

問題はラインハルトとオーベルシュタインだ。長期に亘って独立行動を取る事になるが、ヒルダが良い意味での安全弁になってくれるのを期待するしかない。

上手く行ってくれればいいのだが、ヒルダがラインハルトに対してどれだけ影響力を持つことが出来るかが鍵に成るだろう。ラインハルトがヒルダの事を俺が差し向けたスパイだなどと勘繰るとどうにもならなくなる。

フェザーン方面は俺とリヒテンラーデ侯、レムシャイド伯で対応する。大切なのは帝国とフェザーンの交易を維持すること、ルビンスキーを孤立させる事だ。それが出来るなら同盟のフェザーン進駐も認めても良い。

上手く行けばルビンスキーを失脚させることが出来るだろう。それも同盟の手で失脚させる事が出来る。その場合地球教がどう出るかだな。フェザーン、ルビンスキーを切り捨てる事が出来るか、それとも固執するか。報復するなら何処に、誰に対して報復するか。

地球教が動けば
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