第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#13
DARK BLUE MOONX 〜Dead Man's Anthology〜
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ソレに叛するように、余すことなく受け止めるように、マージョリーは口を開く。
「フッ! この私を一体誰だと想ってるのよ!
すぐに済ませて追いつく。
心配するコトなんて何もないわッ!」
そう言うが速いか、美女の躰がまるでミエナイ糸で引っ張られるかのように、
高速で背後に上空へと駆け昇っていく。
飛燕の旋回が常人の目には映らないのと同じように、
周囲の人間はその姿を認められない。
後に残ったヒールの陥突痕から、足裏の瞬発力で飛んだと解した花京院は
振り向く事なく目的の場所を目指す。
これから始まる彼女の戦いに、微塵の憂いも残すコトのないまま。
「……」
やがて前もって目をつけていた、廃ビルの広い屋上にヒールの踵を鳴らして
着地したマージョリーは、眼前から高速で迫ってくる存在に対し、
開戦の自在法を行使する。
「封・絶ッッ!!」
通常を遙かに超えて猛り上がる喚声と同時に、
美女の足下から群青色の火走りが不可思議な紋字、紋章と共に拡散し、
周囲半径数百メートルをドーム状に覆い込む。
その中心で、美女は両腕を腰に組んだ余裕盤石の構えで決闘の相手を待つ。
そしてほぼ間を置かず、その群青の結界内に熾烈なる存在宿す者が
封絶の表面を突き破るようにして飛び込んできた。
「――ッ!」
美女の目測、正確350メートルの位置。
燃え盛る深紅と真紅を髪と瞳に携え、纏った黒衣の内に長鎖を絡めた炎架を刻み、
手にした煌めく白刃を既に刺突へと構えた紅蓮の少女。
(フレイムヘイズ!?)
(フレイムヘイズ!!)
大地と天空にて。
一瞬の交錯のうち、互いの存在を認めた美女と美少女が心中でそう叫んだのはほぼ同時。
(“炎髪灼眼” か……久しぶりだなァ……アラストール……!)
マージョリーの腰下で、マルコシアスが兇悪な笑みを口元に浮かべた。
止まった歯車が動き出す時。
隔たれた火車が噛み合う時。
互いの譲れないモノを賭けた、同属同士の戦い。
ソレが、いま、凄絶に幕を開けるッ!
←To Be Continued……
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