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101番目の舶ィ語
第ニ十話。音央の決意
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のロアになるよう促すなんて」

「音央の中には、可能性が残されていたからな。だから、俺はその可能性に賭けたんだよ。本当に出来るのか、とか。不安や失敗する可能性ももちろんあったけど……『仲間を信じ、仲間を助けよ』。一緒に戦う仲間だからこそ、信じようと思ったんだ」

俺の顔をじっと見つめた後、理亜はアリサとスナオちゃん、かなめに目を向けて。
そして、何かを考え込む。
多分、いろいろ考えたいこと。話したいことがあるのだろう。
少しばかり、考える時間が必要だな。
などと思いながらも、俺はさっきから視界に入っていた音央の手の中にあるDフォンの事を音央に尋ねることにした。

「そのDフォン、鳴央ちゃんに繋がっているのか? でも、君達……確か」

先ほど俺達を取り込んだ黒い穴。あれは間違いなく、『奈落落とし(アビスフォール)』だった。
だが、あの技を使った鳴央ちゃんはDフォンを持っていなかったはずだ。異世界であるこの場所と外の世界を通話する際に、普通の携帯電話が繋がった……そんなことが可能なのか?
そんな俺の疑問に、音央は得意げに答えた。

「うん。これはあたしのDフォン。______会長の家から帰る時にね、ヤシロちゃんが現れてくれたのよ。『お姉さんはこれから、大事な人を守れるかもしれないよ』って」

「だけど『お姉さんが消えなければね?』だろう? ヤシロは相変わらずだよなぁ」

音央の言葉に続けるように、アリサが答える。
そのアリサの顔には僅かながら、笑みが浮かんでいた。
いつもの『不敵な』笑みではない。
ようやく見つけた、『希望』に託せる。
そんな風な『喜び』に満ちた、満面の笑みを一瞬だが……確かに浮かべていた。

______これでどうやら、戦いは終わりのようだ。
今度こそ、間違いなく……あの台詞を言える。そう思った俺がそれを言おうとしたタイミングで。
雪景色に異変が起きた。
突然、雪景色に。空間に亀裂が走り。


バリーン??


その空間がガラス細工のように割れて、周りの風景が見覚えのある十二宮中学の校庭へと戻った。
そして……。

「終わったみたいだね、モンジ君」

「お疲れ様でしたっ。お帰りなさい、音央ちゃん、モンジさんっ」

そこにはキリカと鳴央ちゃんが笑顔で立っていた。

「ん、ただいま、二人とも」

「ただいま鳴央。助かったわ」

音央は妖精の姿から人間の姿へと戻ると、そのまま鳴央ちゃんに抱きついた。
抱きつかれた鳴央ちゃんは驚くこともなく、優しい微笑みを浮かべたまま、よしよしとその背中を撫でてやっている。そんな微笑ましい光景の隣では……。

「はじめまして『予兆の魔女・アリシエル』ちゃんっ」

「おう……『魔女喰いの魔女・ニトゥレスト』か。
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