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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第6部 贖罪の炎宝石
第1章 帰省
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ばぜん〜〜〜〜、あでざばづびばぜん〜〜〜」

頬をつねられたまま、半泣きでルイズが喚く。

ルイズには絶対に頭の上がらない存在が四人いた。

アンリエッタと、両親と、この長姉のエレオノールであった。

ルイズより11歳年上の、このラ・ヴァリエール家の長女は、男勝りの気性と王立魔法研究所『アカデミー』の優秀な研究員として知られていた。

「私の質問に答えずに、きょろきょろとよそ見をするのはどういうわけ?あまつさえ、その使い魔が乗る馬車の屋根を吹き飛ばして……」

「そ、それはその……使い魔とメイドがくっついたりしてるから……」

とすごく言いにくそうにもじもじとしながら、ルイズは姉に告げた。

エレオノールは髪をぶわっと逆巻かせると、ルイズを睨み付ける。

蛇ににらまれたカエルのようにルイズは縮こまった。

「使い魔のすることなんか、放っておきなさい。相変わらず落ち着きのない子ね!あなたはラ・ヴァリエール家の娘なのよ!もっと自覚を持ちなさい!」

「は、はい」

しょぼんとして、ルイズはうなだれた。

「で、でも……、なにも学院のメイドまで連れてこなくても……」

「おちび。いいこと?ラ・ヴァリエール家は、トリステインでも名門中の名門のお家よ。あなただってそれはわかっているでしょう?」

「はい、姉様」

「いくら奇妙な力を使うからと言って、従者があなたの使い魔だけでは示しがつかないでしょう?ルイズ、貴婦人というものはね、どんな時でも身の回りの世話をさせる侍女を最低一人は連れて歩くものよ」

トリスタニアのアカデミーに勤めるエレオノールが、ルイズを連れて帰省するために魔法学院にやってきたのは今朝のことである。

洗濯物の籠を抱えて通りかかったシエスタを捕まえ、「道中の侍女はこの子でいいわ」とつぶやき、その場にいた貴族の教師にうむも言わせずに承諾させ、世話をさせるため連れてきたのである。

そして、ルイズと共に帰省しようとした。

しかし、ルイズをまるで誘拐のごとく連れ去ろうとするエレオノールにウルキオラが黙っているわけもなく、制止の意を表した。

ウルキオラにとっては、どうでもいい人間。

エレオノールにとっては、ただの平民。

お互いが険悪なムードに包まれたのはいうまでもない。

しかし、ウルキオラが霊圧を解放したことにより、畏怖をを覚えたエレオノールは、自身のことと、今の状況を伝えた。

当初、ウルキオラは「そんなもの知ったことではない」と言っていたが、ルイズが一緒に来いというので、仕方なくシエスタと共に、エレオノールが学院の者に無理やり用意させた従者用の馬車に乗り込んだ。

そして、ルイズと共にエレオノールは学院まで乗ってきた自分の馬車に乗り込んだ。

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