第一幕その十一
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「広島も強くなるよ」
「巨人を負かして」
「あのチームを最下位に叩き落としてですね」
「優勝出来るんですね」
「そうなれるよ、僕も巨人は間違ってると思うから」
先生は正しいことを正しい、間違っていることを間違っていると考える人です。だから巨人を好きではないのです。
「あのチームが優勝し続けて人気があって持て囃されることはよくないと思ってるよ」
「そうですよ」
「何で巨人なんか応援するんでしょうね」
「あんな独裁者がオーナーしているチーム」
「間違っていますよ」
「日本はいい国だけれど」
先生は今度は悲しいお顔になって言いました。
「マスコミはよくないからね」
「巨人もマスコミが親会社ですしね」
「本当に何処かの独裁国家みたいですね」
「オーナーが将軍様で」
「やりたい放題ですね」
「本質は同じだね」
巨人と世襲制の共産主義という独裁国家はというのです。
「そしてそれに気付かないで持て囃す日本のそうした面はね」
「よくないですね」
「やっぱり間違っていますよね」
「巨人なんかが正義みたいな言い方は」
「よくないですね」
「絶対の正義、絶対の悪はないにしても」
それでもというのです。
「間違っている、子供の教育によくない存在はあるから」
「巨人はですね」
「間違っていますね」
「そして子供の教育にもよくない」
「そうしたチームですね」
「そう、ああしたチームはヒールなんだ」
そうであるべきだというのです。
「プロレスで言うね」
「そのヒールがヒーローなのが日本なんですね」
「何か倫理観がおかしいのも当然ですね」
日本のです、学生の皆も言います。
「戦後の日本の倫理観はおかしいって言いますけれど」
「巨人が正義と思われているところにもですね」
「それが出ているんですね」
「僕はそうも思ってるよ」
実際にというのです。
「やっぱり間違っているね」
「その間違いがずっと続いてきましたけれど」
「ようやく終わるかも知れないですね」
「巨人は間違っている」
「悪いチームですね」
「うん、僕も巨人は好きじゃないからね」
先生の正しい倫理観から見てです、巨人が好きになれる筈がないのです。子供の教育に悪いようなチームは。
「ああしたチームよりもね」
「先生は阪神ですよね」
「阪神ファンでしたね」
「この前も甲子園に行かれてましたし」
「阪神お好きですね」
「うん、好きだよ」
実際にというのです。
「あのチームは独特の華があるからね」
「じゃあその阪神にです」
「広島戦いますから」
「負けませんよ」
「絶対に」
「ははは、じゃあ優勝を争うことになるね」
先生は学生さん達の強い言葉に笑って返しました。
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