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ソードアートオンライン 黒紅の騎士と紫紺の剣姫
黒の剣士
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だろう?」
 彼らの言葉に、勢いづいたのか戦闘の斧プレイヤーも叫んだ。
「そ、そうだぜ。攻略組ならレアアイテムや金をたんまり持ってるはずだ。オイシイ獲物じゃんか」
口々に同意の言葉を喚きながら男たちは抜剣した。無数の金属が狂気を孕んで光る。
 ランもキリトも、その場から動きもせず剣すら抜かず微動だにしなかった。
それを、諦観と受け取った男たちが一斉に走り出し彼らに襲い掛かった。
 槍が剣が斧が、次々と彼らを切り刻んでゆく。
シリカやシアが叫んでも、数の暴力は終わらないだろう彼らがHPを全損するまでそのあとは、自分たちがやられる番になる。
 しかし、ユーリが二人に小声で「HPバー見てみなよ」と言って、あることに気づいた。
彼らのHPバーが減っていない。
 否、実際には減っているのだが次の瞬間には右端まで戻っているのだ。
「なにやってんだ。さっさと―」

「無理だよ。あんたりゃには、俺らは殺害(ころ)せない。あんたらの、武器は大抵市販品か殺したギルドの装備品、俺はプレイヤーメイドの装備品。ましてや、オレンジプレイヤーに鍛治スキルを取るやつはいない。そして、たいして能力も大して高くないだろ?今し方あんたらが俺に与えたダメージは10秒で450前後…STR-AGIビルドに20人で450しか与えられない。戦闘時回復(バトルヒーリング)スキルで回復する量は10秒で700加えて俺のレベルは79、HP14,800だ。何時間やろうが絶対無理だよ。キリトも同様だろ?」
 男たちは、絶望したように立ち尽くし。
「むちゃくちゃだ。そんなんアリかよ」
「そうだ」
吐き捨てるようなキリトの言葉。
「たかが、数字が増えるだけでここまで絶対的な差が着くんだ。これがレベル制MMORPGの理不尽さなんだよ」
 キリトの、抑えがたい何かを孕んだ言葉に、男たちは気圧され後ずさった。
「チっ」
不意にロザリアとネロが舌打ちすると、腰から転移結晶を掴み出した。宙に掲げ、口を開く。
「転移ー」
その言葉が、紡がれる前に飛来した何かが転移結晶をピンポイントで命中し砕け散った。
「さてと」
 腰が抜けたロザリアとネロの襟首をキリトが掴んでズルズルとこちらに引き摺って男たちの間に放り込む。ランは、腰から、転移結晶よりも色の濃い結晶を取り出した。
「さて、これはさるギルドから渡された回廊結晶だ。出口は、黒鉄宮の牢獄エリアに設定してある。これで全員牢屋に跳んでもらう。軍がちゃんと3食、簡素だが飯も出してくれるさ」
 地面に座り込んだロザリアは、キリトを睨みつけながら。
「嫌だと言っー「容赦なく()る」
笑顔が凍り付く。
「と、言いたいところだけど流石に、ヤっちゃまずいからレベル5麻痺毒で動けなくして放り込まれるのと自分で飛ぶのか選べ」
 死刑宣告を、
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