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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百五十三話 第一次フェザーン侵攻作戦
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る、そしてルビンスキーを排除するという事か。最後通告だな。

「なるほど、面子を立てたい、こちらを信頼できないというなら、自分たちでルビンスキーの反帝国活動を止めて見せろ、そういうことですか」
「ええ」
司令長官とシュムーデ提督の会話にルーディッゲ提督が苦笑した。たちまち笑いが伝染する。応接室の中は笑いに満ちた。

「閣下も随分と辛辣ですな、しかし反乱軍のフェザーン進駐を認めてしまってよろしいのですか」

「構いませんよ、ルックナー提督。今の反乱軍は帝国軍を相手にフェザーン、イゼルローンの両回廊を維持するだけの兵力はありません。いずれ各個撃破されるだけです」
「!」

「出来れば反乱軍にはフェザーンを占領して欲しいものです。反乱軍は経済的な苦境から脱するためにフェザーンから様々な形で財産を毟り取る筈です。帝国がフェザーンに再侵攻するときには解放軍として歓迎してくれるでしょう。楽しみですね」

そう言うと司令長官は軽やかに笑い声を上げた。全く司令長官の辛辣さには恐れ入る。馬鹿を見るのはルビンスキーと反乱軍か。司令長官に釣られたかのように俺達も笑う。

一頻り笑った後、司令長官が表情を改めた。
「十一月十五日を作戦開始日とし、遠征軍は訓練と称して作戦行動に入ります。内乱発生後は速やかにフェザーンへ向かってください」
「……」

司令長官の言葉に俺達は無言で頷く。どうやら司令長官は内乱は早ければ十一月下旬には始まるとみているようだ。

「それまでの間、この作戦は一切口外を禁じます。たとえ相手が犬、猫、草木であろうと話す事は許されません。現時点において宇宙艦隊でこの作戦について知っているのは、此処に居る人間だけです」
「他に知っている方は」

俺の問いに司令長官はエーレンベルク軍務尚書、シュタインホフ統帥本部総長、リヒテンラーデ侯の名を上げた。いやでも緊張で身が引き締まる。犬、猫、草木であろうと話すなというのは冗談ではない。これはその性格から言っても極秘作戦なのだ。

「帝国軍は三方面で軍事活動を行なう事になります。本隊は貴族との決戦、別働隊は辺境星域の平定、フェザーン方面は外交戦による交易の保証、その後は通商路の護衛です」
「……」

「フェザーン方面軍は、ルビンスキー、高等弁務官のレムシャイド伯、オーディン、場合によっては反乱軍とも連絡を取りつつ作戦を進めることになります」

「閣下、オーディンではどなたに連絡を取ればよろしいのでしょうか?」
「基本的には私とリヒテンラーデ侯になります」
「閣下がですか、しかし本隊の指揮は……」
「フェザーン方面が落ち着くまではメルカッツ提督にお願いする事になるでしょう。私が本隊に合流するのはその後になります」

シュムーデ提督と司令長官の会話を聞きながら第
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