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SAO−−鼠と鴉と撫子と
9,第一次忍界大戦!?
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まて、なぜそうなる?」

冷静に突っ込む俺の後ろで、アルゴがはぁ、と溜息をついて呟いた。

クロちゃんの、あほんだら。

かくして、エクストラスキルをかけた風魔忍者と伊賀者(俺)の決闘は表の広場で行うことになった。




風魔忍軍二人が勝てば、アルゴは潔く「体術」の情報を渡す。
俺が二人に勝てば、今後一切アルゴを追いかけまわさない。

二対一の変則的な決闘の開催に滞在していた多くのプレイヤーが顔を覗かせている。
単に、悪い意味で目立っている風魔忍軍を冷やかす目的もあるとは思うが。

「しかし、いいのでゴザルか?我ら二人のレベルは攻略組とほぼ同じでゴザルよ」
「良いハンデだから大丈夫だ」

ルールはいつもの初撃決着モード。スイッチされただけでも、俺は一環の終わりだろう。

普通なら、な。

気になって辺りを見回すと、レストランの入口に立っているアルゴとヤヨイは対照的な様子だ。
ヤヨイは今すぐにでも助太刀しようと曲刀に手をやって俺に眼で参戦を訴えでている。
アルゴはそんなヤヨイを抑え、少しでも遠くで待機しようとしていた。

まあ、百聞は一見に如かず。俺の戦闘は口で語るよりも見せたほうが何倍も分かりやすい。

カウントが目の前で減っていく。残り5秒のところで、俺は左右の手でナイフを抜いた。

「風魔のお前らには前々からムカツクことがあったんだよーー」

残り2秒。俺は頭を完全に戦闘に切り替えた。
「−−AGI極振り型の印象、悪くしてんじゃねぇ」





開始の瞬間、俺は初っ端から投剣系引き撃ちスキル「ショットアウェイ」を放った。このスキルは攻撃の反動で後ろに退避でき、遠距離攻撃の投剣には非常に美味しいスキルだ。
予想通り、飛び込んできた風魔忍のコタローに轟音を響かせてナイフが突っ込むが、さすがに読まれていたのか思いっきりジャンプして躱された。流石にAGI壁、だけど、二人の行動をこれでバラバラに出来た。

吹っ飛んでいた空中で俺はさらなる追い打ちをかけるべく、体を大きく前に倒す。左手に残るナイフを地面に突き刺しながら勢いを殺し、地面を風の様に走るイスケに狙いを定めた。

短剣の突進スキル「ウインドダイブ」のシステムアシストが体を包んでいく。

「ォォォォオオオオオオ」
煌めく一迅の風となって、俺はイスケを強襲する。イスケはシミターを振って迎撃をするが、俺はその振るわれたシミターの方に狙いを定める。

ガッキイン、と金属のぶつかり合う激しい音と共に、2つの得物が空中へと舞い上がる。俺は勢いそのままにイスケへと肩口から体当たりを決める。「体術」はまだ習っていないのでダメージ計算は適用されないが、イスケの軽装な体がフワリと舞い上がり決定的なチャンスを作り上げた。


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