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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百五十話 真意
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伯は信用されていない。“伯は知らぬ” そう言ったリヒテンラーデ侯の口調は冷ややかだった。それにしてもローエングラム伯の見る十五年後とは一体どんな未来なのか……。
「マリーンドルフ伯、そうほっとした表情をせぬ事だ。私も元帥も本当の事を全て言っているとは限らぬ。伝えたい真実のみを伝えているかもしれんからの」
「はっ、恐れ入ります」
どうやら、表情を読まれたようだ。それほど感情が顔に出るとは思わないが、この二人からみれば読み取るのは容易なのかもしれない。
汗を拭う私にヴァレンシュタイン元帥が話しかけてきた。
「マリーンドルフ伯」
「何でしょう、ヴァレンシュタイン元帥」
「フロイラインのことですが、そろそろ重要な仕事を任せたいと考えています」
ヒルダに重要な仕事?
「それは有難いお話ですが、娘に務まりましょうか?」
「ええ、フロイラインなら大丈夫だと思います」
「マリーンドルフ伯、ヴァレンシュタイン元帥は卿のフロイラインを高く評価しているようじゃ。羨ましい事じゃの」
「恐れ入ります。それで仕事とは?」
「ローエングラム伯の元で幕僚任務に就いてもらいます」
「! それは」
ローエングラム伯の元で幕僚任務! リヒテンラーデ侯は伯を信用していない。おそらく元帥も同様だろう。その伯の幕僚になる……。娘にローエングラム伯を見張れ、そういうことだろうか。
「内乱が起きればローエングラム伯は長期に亘って独立して軍事行動を起す事になります。伯にはフロイラインの持つ政治センスが必要なのですよ」
「……」
「今日のこと、フロイラインに話すのは止めてください。フロイラインには妙な先入観は持って欲しくないのです。その方が二人にとっても帝国にとっても良い結果を生むと思います。よろしいですね」
「……承知しました」
娘をローエングラム伯の元に送る。リヒテンラーデ侯、ヴァレンシュタイン元帥が信用していない人物の元に送る。どうやら厄介な事になりそうだ。何処まで出来るか判らないがヒルダを守ってやらなければなるまい。
先ずは、ローエングラム伯の見る十五年後、これを知るべきだろう。リヒテンラーデ侯もヴァレンシュタイン元帥も伯とは目指す所が違う、そう考えている。そしてそれを受け入れられないと考えている。彼が一体何を目指しているのか? それを調べなければならない……。
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