第三十六話 要塞都市リュエージュ
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郭部分にやって来た。古城の城壁は朽ち果て城壁としての効果は失っていた。
そこでは工兵隊の隊員達が金網と布で出来た『折り重なった奇妙なもの』を用意していた。
「これは?」
「これは『ヘスコ防壁』です。以前、地下図書室でこの存在を知って作らせておきました」
「そういえばそういった物も翻訳した覚えがある」
「これから城壁の変わりに『ヘスコ防壁』を作りますので、あの金網と布の箱の中にレビテーションなどで土砂を入れてください。それと他のメイジにも協力して貰いたいのですが」
「確かコンクリートは実用化されているはずだが」
「べトン(コンクリートの事)では、乾くのに時間が掛かります。よってこの方法で防壁を作ろうと思います」
「分かった。僕の名で命令を出しておこう」
「ありがとうございます。時間が無いので早速始めましょう」
マクシミリアンの命令で各メイジも動員させ防衛陣地建設が開始された。
マクシミリアンの命令で『手すきのメイジ全て』と明言された為、カリーヌ夫人やカトレアも駆り出される事なった。
「この箱の中に『レビテーション』で土を入れればいいのね?」
「はい、宜しくおねがいします」
工兵の指示に従ってカトレアは『レビテーション』を唱え土砂を持ち上げた。
「カトレア。貴女は魔法の力は凄まじいですが細かいコントロールは下手です。いい機会ですから、この作業を利用して練習しなさい」
「はい、お母様」
カリーヌ夫人も作業の傍らカトレアに目をかけていた。そしてカトレアは初めての経験に何処か嬉しそうだった。
『レビテーション!』
「おお〜!」
「さすが貴族様」
カトレアの『レビテーション』で巨大な土の塊が浮き上がった。全長20メイル近いの土の塊が浮かんだ事で工兵や兵士達がカトレアを称えた。
「カトレア。大きすぎです。これでは箱の中に入りません、もう少し力を弱めて」
「はいっ」
カリーヌ夫人に駄目出しされたカトレアは魔力を調整し土の塊を小さくすると、それをヘスコの箱の中に流し込んだ。
「一先ず成功ですね。それにしてもカトレア。貴女は領民の治療に出張っていると耳にしましたが風メイジなのに水魔法の方が魔力の調整が上手いと言うのはどういうことですか」
「あれは、秘薬を媒体にしてますから上手く行くんです」
「まったく、今まで礼儀作法を重点に置いてましたが。やはり貴族は魔法が本分。帰ったらみっちり特訓しますよ」
「魔法は大事ですが、だからと言って結婚相手までも魔法で決めるわけではないでしょう。聞くところに寄ればエレオノールお姉様の婚約もこの内乱でご破算になったと聞きました。言いたくはありませんが完璧を着そうと鍛錬すればす
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